日本二千六百年史 新書版
大川周明は戦後、民間人で唯一のA級戦犯に指定され、東京裁判に臨んでいる。これだけでも、彼が戦前の日本においてどれほどの影響力をもった思想家だったか、推察できるだろう。日本改造主義の実践にも深く関わり、五・一五事件では禁錮5年の判決を受けて服役。出所してからは日本精神の復興やアジア主義を核とする言論活動を展開し、昭和14年にそれらの集大成として『日本二千六百年史』を上梓すると、官憲の弾圧によって改訂を余儀なくされるも、大ベストセラーとなった。
週刊朝日
11/22