書評『思春期の子に、本当に手を焼いたときの処方箋33』土井高徳著 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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《話題の新刊 (週刊朝日)》

思春期の子に、本当に手を焼いたときの処方箋33 土井高徳著

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杉山春書評#話題の新刊

 思春期とは「家族」から離れ、社会に新しい居場所を作る、人生でも困難な時期。だが、現代は「家族」が厄介だ。家族内の人間関係、力関係が変わり、多様な育ちがある。DVや虐待、貧困、発達障害などの持って生まれた資質や環境で傷を負う者もいる。
 本書はそんな時代に、どんな子どもにも向く、子育てマニュアル。なにしろ著者は37年間に100人以上の、心に傷を負った子どもたちの里親を務め、臨床経験豊富。学術博士としては発達に関する最先端の知識を持つ。配慮を巡らした土井ホームでの生活の中で子どもたちは心の傷を癒やし、自立を果たす。
 内容は具体的。叱る時間は3分以内。「守られているという安心感」を持たせるために一貫性と継続性のある「物差し」を。周囲の賞賛と共感の言葉で子どもは変化を見せる……。親の怒りのコントロール法も説明する。
 つまり、大人の作り出す安全と応答性の中で子どもは自立を果たすのだ。
 平易な文体でさらっと読める。だが、手元に置いて、困った時にページを繰れば、必ず知恵が得られるだろう。

週刊朝日 2014年4月4日号


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