子どもの英語力はどうやって伸ばしたらいいのでしょうか。『AERA English特別号「英語に強くなる小学校選び2022」』では、6歳で英検準2級合格という“スーパーキッズ”を取材。その英語力はどのように育まれたのか、お母さんに話を聞きました。

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 現在小学1年生の鈴木結洸(ゆうこう)くんが初めて英語に触れたのは1歳のとき。英語で保育を行うユニソン・ワールド保育園(仙台市)に通い始めたのがきっかけだ。ただ結洸くんの両親は英語教育を目的としていたわけではない。2人とも英語は話せず、子どもの早期の英語教育に必要性は感じていなかった。ではなぜこの保育園を選んだかというと、その前に三つの認可保育園に落選し、共働きの両親にとって最後の頼みの綱だったのだ。

 そんな経緯だったが、「結洸は嫌がることなく通っていました」と、母親の佳奈子さんは当時を思い出す。だが、心配はあった。結洸くんは3歳になっても、日本語も英語もほとんど口にしなかったのだ。乳幼児健診では言葉の発達の遅れを指摘された。

「日本語も話さないので、英語もできるようにならないだろうと思っていました」

 転機が訪れたのは結洸くんが5歳を過ぎた頃。保育園から勧められ、英検Jr.を受験したところ、「ブロンズ」に合格したのだ。英検Jr.とは、子ども向けの英語リスニング検定試験で、三つのレベルがある。佳奈子さんは、「正直、合格は無理だと思っていましたが、聞いたことは理解しているのだと確信し、希望がわきました」と振り返る。

 合格を境に結洸くんは英検学習に前向きに取り組み、順を追って高い級に挑戦。

「自信がついたようで、合格すると、次も受けたがりました。結洸のそんな様子がうれしく、とことん協力しようと、自宅での英語学習にも力を入れるようになりました」

■親も一緒に「聞く&リピート」が効果的

 自宅では、毎日15分を目安に英検学習に充てた。

「15分だと集中力が途切れません。そのおかげか嫌がらずに毎日、勉強しています」

 使うのはおもに英検用の音声付き単語教材。保育園からは絵本の音声を聞いて発音する宿題があり、その方法にならった。両親のどちらかが横について、単語を聞いて発音することを一緒に繰り返した。

「子どもだからできない、わからないと決めつけないようにしました」

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稲田砂知子
稲田砂知子

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