朝夕の光はドラマを生む 主役の紅葉を立てる撮影法 (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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朝夕の光はドラマを生む 主役の紅葉を立てる撮影法

特集「紅葉と秋の風景を撮る」(1)

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辰野清dot.#アサヒカメラ
長野県・霧ケ峰高原。か弱いラインを持ったススキは群生して、ともに生きる、といったイメージがあり、生命力を感じさせる。線が細くて美しく、穂先には透過光も利くのでとても撮りやすいモチーフといえる■ペンタックス645Z・HDペンタックスDA645 28~45ミリF4.5ED AW SR・ISO400・絞りf22・0.8秒・PLフィルター

長野県・霧ケ峰高原。か弱いラインを持ったススキは群生して、ともに生きる、といったイメージがあり、生命力を感じさせる。線が細くて美しく、穂先には透過光も利くのでとても撮りやすいモチーフといえる■ペンタックス645Z・HDペンタックスDA645 28~45ミリF4.5ED AW SR・ISO400・絞りf22・0.8秒・PLフィルター

「風景写真は、『最初の一歩』がいちばん難しい。最初の一歩というのは着眼点」風景写真の作品で問われるのは、いかにほかの人とは違うものを見つけられるか、それは「何を面白がれるか」といっても過言ではない――。『アサヒカメラ』2019年10月号では、62ページにわたって「紅葉と秋の風景の撮影術」を大特集。風景写真家の辰野清さんが徹底解説する、天候や時間帯、撮影場所の違いに応じた撮影ガイド。その一部を抜粋して紹介します。

【イメージは「きれいなボリューム感のある紅葉が朝を迎えた」作例はこちら】

*  *  *
 朝夕の低い角度で差し込む赤い光は、逆光やサイド光でとらえるとドラマが生まれやすい。風景写真的にはそういう方向にカメラを向けて写すことが基本となる。

 メリハリが出るので風景に勢いがつく。躍動感や生命感が強くアピールされる。それに見合ったモチーフを探し、主役に持ってくることが作品づくりのポイントとなる。強い被写体でも、弱い被写体でもよいので、何らかのストーリー性がほしい。暮れゆく秋の中で、被写体がそこにあるという存在感。それを押し出すようなフレーミングと光の使い方で主役をしっかりと立てていく。

 空と地上との明るさの差が大きい朝夕は、露出が特に難しい。ぼくは、露出については常々「写真のデータ集め」を心がけている。背面モニターでヒストグラムを見て、「きちんと収まっているな」と確認する。ライブビューでは白とびしたり、黒つぶれしているように見えても、撮影データ的には問題ないときがある。そのため、ヒストグラムを見てしっかりと判断することが癖になっている。

 逆光は鮮やかな色が出るが、コクは出しづらい。一方、サイド光は立体感とともに深い色が出る。ピークを迎えた鮮やかな紅葉の色を強調するのであれば、逆光が向いているが、晩秋の風情、残された紅葉の情感を表現するには色のコクがとても大切なので、サイド光のほうが有利だと思う。

 冒頭の写真は逆光で写したもの。群生するススキは生命感があるうえ、線が細くて美しく、主役にしやすい被写体だ。穂先は透過光によって輝き、鮮やかに写る。


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