京都にある奇想天外な美術館から生まれた和菓子に感じるアート (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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京都にある奇想天外な美術館から生まれた和菓子に感じるアート

連載「京都暮らしの四季暦」

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ナカムラユキdot.#ナカムラユキ#旅行
京都府立堂本印象美術館/075―463―0007/京都市北区平野上柳町26―3/営業時間9:30~17:00(入館は16:30まで) /料金 一般500円(10月1日より510円予定)/休館日:月曜(祝日の場合は翌日休)、年末年始、展示替えなどで臨時休館あり

京都府立堂本印象美術館/075―463―0007/京都市北区平野上柳町26―3/営業時間9:30~17:00(入館は16:30まで) /料金 一般500円(10月1日より510円予定)/休館日:月曜(祝日の場合は翌日休)、年末年始、展示替えなどで臨時休館あり

 国内外の人々を惹きつけてやまない京都。その四季折々の魅力を、京都在住の人気イラストレーター・ナカムラユキさんに、古都のエスプリをまとったプティ・タ・プティのテキスタイルを織り交ぜながら1年を通してナビゲートいただきます。愛らしくも奥深い京こものやおやつをおともに、その時期ならではの美景を愛でる。そんなとっておきの京都暮らし気分をお楽しみください。

【写真】「堂本印象美術館」の素敵な空間やスイーツ、雑貨などをはこちら

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■夏の終わりアートに触れる

 朝夕は少し涼しくなり、ヒグラシの声に夏の終わりを感じる頃。小学生の時、宿題に追われていたことを思い出します。たくさんの宿題の中で、絵日記だけは続けて描いていた記憶があります。子ども絵画教室に通い、床に寝転びながら絵を描いたり、段ボールで家を作ったりする自由な創作時間を面白がっていた時期でした。その頃、最も身近だった美術館が「堂本印象美術館」です。

 黄金色にきらきらと輝く壁面の装飾、建物の立体造形は今にも飛び出してくるような迫力があり、前を通る度に車の窓から身を乗り出して眺めていました。「あれは何?一体建物の中はどうなっているんやろう?」ずっと気になって仕方なかったのです。今思えば、すでに堂本印象の表現に惹きつけられていたのですね。子供の頃から変わらず、最も好きな美術館です。今回は、大正から昭和にかけて京都で活躍した日本画家、堂本印象の美術館を舞台に、アートを楽しむ空間へご案内します。

昨年リニューアルし、一層圧倒的な存在感を放つ堂本印象美術館。左)庭に点在する印象デザインの椅子。自由に座り作品に触れることが出来る。右)ロビーステンドグラス「蒐核(しゅうかく)」1966(昭和41)年

昨年リニューアルし、一層圧倒的な存在感を放つ堂本印象美術館。左)庭に点在する印象デザインの椅子。自由に座り作品に触れることが出来る。右)ロビーステンドグラス「蒐核(しゅうかく)」1966(昭和41)年

■隠れモチーフに心が踊る奇想天外な美術館

 堂本印象(1891~1975年)は、西陣織の図案描きを経て日本画家となり、伝統的な具象画から型破りな抽象画まで、あらゆる画材と技法を操り、陶芸、彫刻、染色など様々な作品を手掛けた近代日本画の巨匠です。戦後初めて渡欧した日本画家でもあり、パリを中心に見聞した後、洋画的な色使いやデフォルメなどの表現を経て、晩年は抽象画へと移行していきました。また、東福寺や智積院といった寺社仏閣の障壁画を数多く描いていることでも知られています。

 堂本印象の美術館は、1966(昭和41)年に金閣寺、龍安寺、仁和寺へと続く自然豊かな「きぬかけの路(みち)」に建てられました。美術館の外観から内装、ドアノブやライト、受付、サロンなどの文字デザインなど、細部に到るまで自らデザインを手掛け、自分の中に沸き起こる表現を爆発させたと言われています。隠れモチーフを見つけながら館内を巡り建物自体を楽しむことが出来るのが一番の魅力。金色を随所に用いたモダンデザインは、見る度に惹きつけられてしまいます。


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