写真家に愛される三脚「マンフロット」 イタリア工場で使われる意外な日本語とは? (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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写真家に愛される三脚「マンフロット」 イタリア工場で使われる意外な日本語とは?

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猪狩友則dot.#アサヒカメラ
「マンフロット/ジッツオ」の工場。現場からの提案をもとに「KAIZEN」グループによって、工程や物の配置などが常に見直される(写真/猪狩友則)

「マンフロット/ジッツオ」の工場。現場からの提案をもとに「KAIZEN」グループによって、工程や物の配置などが常に見直される(写真/猪狩友則)

 三脚の生産といえば主流は中国だが、マンフロット/ジッツオの三脚はイタリアで作られている。マンフロット創業の地で設計・生産を続ける狙いはどこにあるのか。「アサヒカメラ」では、マンフロットのオフィスと工場を訪れた。

【イタリア・ベネチアの美しい日の出前の風景はこちら】

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 1960年代後半、イタリアのバッサーノ・デル・グラッパで写真記者をしていたリノ・マンフロットは、プロ向けの撮影機材の製造、販売をはじめる。そして今もマンフロットの本拠地はバッサーノにあり、工場も80年代に建てられたフェルトレの工場地帯にある。 

 現在のマンフロットは92年に買収したジッツオとともにヴァイテックの傘下にあり、同グループの中でもプロ/一般向けの機材を扱うヴァイテック イメージングディストリビューションの中核を担っている(日本法人はヴァイテックイメージング)。マンフロットやジッツオのほかに、ロープロやジョビィ、ナショナルジオグラフィック、アヴェンジャー、ラストライトなどのブランドが名を連ねる。三脚のシェアは、欧米では当然トップだし、それは日本でも例外ではない。トラベル三脚のbefree(ビーフリー)や、小型三脚のPIXIの人気もあり、国内でもヴァイテックグループが大きなシェアを持っている。

マンフロット社のオフィス(写真/猪狩友則)

マンフロット社のオフィス(写真/猪狩友則)

 近年大半の三脚メーカーは、人件費の安さから中国で生産しているが、マンフロットとジッツオの製品は、ごく一部を除く大半の製品を今もイタリアで生産を続ける。品質を維持するためにフェルトレの工場で作っているようだ。もちろんイタリアでの生産が容易というわけではない。当然人件費は中国のそれとは比べられない。そのため、機械化と効率化が進められている。

 また、バッサーノやフェルトレはイタリアでも工業や工芸が盛んな北部にあり、周辺には自動車の部品を作っている工場も多く協力を得ている。例えば三脚の多くの部品はモールド成型で作られる。その金型はマンフロット/ジッツオで作るが、部品の生産そのものは周辺の工場に委託しているという。

 周辺の企業の協力があってこそできた製品もある。ビデオ雲台のナイトロテックシリーズは、カウンターバランスを無段階で調整できるようになっている。動画撮影では、パン棒から手を離したときにカメラが正面を向くようにゆっくりと戻ってほしい。これをカウンターバランス機構と呼ぶ。無段階での調整機構を支えているのが、「ナイトロジェンピストン機構」と名づけられた窒素が封入されたピストンにあるのだが、もともとは自動車のトランクに使われていた技術で、三脚の機構に導入したという。


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