「詰め込み」「偏差値」というイメージが強い中学受験。「受験のための勉強は子どもの将来に役に立つの?」「難易度より、子どもを伸ばしてくれる学校を選びたい」といった悩みを抱えている親御さんも増えています。思い切って「偏差値」というものさしから一度離れて、中学受験を考えてみては――。こう提案するのは、リベラルアーツ・探究学習の第一人者である矢萩邦彦さんと、「きょうこ先生」としておなじみのプロ家庭教師・安浪京子さんです。今回は志望校についてのお悩みです。

MENU ■気に入った学校が第一志望、は当たり前 ■いくら安全圏でも油断できないのが中学受験 ■秋以降はどうなるかわからない

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安浪:まずは、気に入った学校が見つかってよかったですね。さて、タイトルに反するようですが、偏差値だけを見ると、第一志望校と第二志望校では偏差値が10ぐらい離れているということですよね。例えば偏差値50と偏差値60であれば、偏差値60の学校の入試問題のほうが難しいように思えますが、実際はその学校の過去問をやってみないとわからないんです。偏差値60の学校の過去問は比較的スムーズに解けても、偏差値50の学校で苦戦する、ということは珍しくありません。同じ偏差値の複数の学校の入試問題を見てみると「こんなに学校によって違うのか」と驚かれると思います。 


矢萩:学校との相性は何よりも大事だと思います。もちろん、本人の性格や性質との相性も大切ですが、入試問題との相性というものもあります。本当は入試問題と相性がよければ学校との相性もいいはずなんですが。 

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安浪京子 矢萩邦彦
安浪京子 矢萩邦彦

安浪京子(やすなみ・きょうこ)/「きょうこ先生」として親しまれている中学受験専門カウンセラー、算数教育家。佐藤亮子さんとの共著『親がやるべき受験サポート』(朝日新聞出版)が好評。最新刊は『中学受験にチャレンジするきみへ 勉強とメンタルW必勝法』(大和書房)。

矢萩邦彦(やはぎ・くにひこ)/「知窓学舎」塾長、多摩大学大学院客員教授、実践教育ジャーナリスト。「探究学習」「リベラルアーツ」の第一人者として小学生から大学生、社会人まで指導。著書に『子どもが「学びたくなる」育て方』(ダイヤモンド社)『新装改訂版 中学受験を考えたときに読む本 教育のプロフェッショナルと考える保護者のための「正しい知識とマインドセット」』(二見書房)。

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