東洋大・細野晴希(写真提供・プロアマ野球研究所 PABB)
東洋大・細野晴希(写真提供・プロアマ野球研究所 PABB)

 いよいよプロ野球も開幕したが、プロ入りを目指すドラフト候補たちの戦いも本格化してきている。早くも大豊作と言われる2023年のドラフト戦線だが、どんな選手が上位候補になりそうなのか、現時点でのランキングを紹介したいと思う。今回は投手編だ。

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■10位:坂井陽翔(滝川二)

 関西の高校生右腕ではナンバーワンの呼び声高い大型投手。昨年秋の兵庫県大会ではセンバツで準優勝した報徳学園に敗れたものの、7回まで無失点と見事なピッチングを見せている。手足の長いいかにも投手らしい体つきで、角度のあるストレートはコンスタントに140キロ台中盤をマークする。打者の手元で鋭く斜めに変化するスライダーも一級品だ。3月には多くの強豪との練習試合でも好投しており、高校日本代表候補にも選出された。これからスタートする公式戦で結果を残せばさらに評価が高まる可能性は高い。

■9位:松本健吾(トヨタ自動車)

 社会人ではナンバーワンと見られている本格派右腕。東海大菅生、亜細亜大でも主戦として活躍していながら凄みには欠ける部分があったものの、社会人1年目の昨年は日本選手権でパナソニックを相手に内野安打1本で完封と圧巻の投球を見せて一気に評価を上げた。その後は少し調子を落としてスロー調整となり、3月のJABA東京スポニチ大会ではリリーフで1回を投げただけに終わったが、好調時の投球を維持することができれば、即戦力として期待できる。ここから都市対抗予選に向けてどこまで復調するかに注目だ。

■8位:東松翔征(享栄)

 東海地区ではナンバーワンの最速152キロ左腕。昨年は夏、秋と続けて県内のライバルである東邦に敗れて甲子園出場は逃したが、この冬の間に体つきがさらに一回り大きくなり、スケールアップした印象を受ける。ストレートはアベレージでも145キロを超え、ボールの勢いに関しては高校球界ナンバーワンと言っても過言ではない。先日行われた高校日本代表候補の強化合宿でも参加した投手では最速となる149キロをマークした。4月からスタートする春の県大会でも多くのスカウトが視察に訪れることは間違いない。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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高校生ナンバーワン左腕は何位にランクイン?