松村さんが伝えたいのは「茶道を知れば、人生が豊かになる」ということ。そのために、現代のライフスタイルに合う「あたらしい茶道」の形を模索している
松村さんが伝えたいのは「茶道を知れば、人生が豊かになる」ということ。そのために、現代のライフスタイルに合う「あたらしい茶道」の形を模索している

 高校生の頃はダンスミュージックが好きで、屋外のパーティーなどにもよく行っていました。そういうところにはテントがあって、ステージがあって、見たこともないような飾りつけがしてあって……要するに、非日常的な空間になっているんです。それがとてつもなくおもしろくて「よし、オレもやってみよう」と、自分の部屋をあれこれいじりはじめました。

 当時はタワーレコードへ行くと、いろいろなアーティストのポスターやカレンダーを無料で配っていたんです。それを大量にもらってきて、切り抜いてコラージュをつくり、壁に貼ったりしていました。ブラックライトを購入し、クラブ感を演出したこともありました。

 思春期ですから、当然「女の子を呼べる部屋作り」も大きな研究テーマのひとつでしたね。おしゃれな友だちの部屋を見て「こいつセンスいいな!」とか「オレのほうがカッコイイじゃん」とか、男の子どうしで張り合うのも楽しい経験でした。

 今にして思えば、自分がよいと思うものを手にいれて組み合わせ、趣向を凝らしてお客さんを呼ぶという、茶会と似たことをやっていたんですね。自分の好きなものを提示して、見た人が「おもしろいね」と共感してくれたら最高にうれしい。茶人として年齢を重ねて知識が増えても、根本にある喜び・楽しさは、あの頃のまま生きているなと感じています。

(構成 生活・文化編集部 端 香里/写真 松永直子)

【出版記念イベントを開催します】

松村宗亮さんの初著書『人生を豊かにする あたらしい茶道』発売を記念して、代官山 蔦屋書店にてトークショー&お茶会を開催します。

4月20日(木)19:00から

https://store.tsite.jp/daikanyama/event/humanities/32559-1941080321.html