「総務省幹部が官邸に、そこまでやるとまずいのではないかと進言にきた。すると、官邸幹部は『黙っていろ』と総務省幹部をどやしつけた。官邸は、放送法の改正も視野にテレビ局によりプレッシャーをかけようという思惑がありました」

 と自民党の閣僚経験者が打ち明けた。

 自民党元職員で政務調査会を長く担当した政治評論家の田村重信氏は、

「小西氏は、最初から予算委員会で取り上げればよかったと思います。それを前日に記者会見までやってあおった。高市さんはカチンときて、売られたケンカを買ったという構図だと感じましたね。総務相や政調会長といったキャリアもあるので、国会答弁の重みはわかっているはずです」

 と感じたという。

 その上で、

「高市氏より安倍元首相のほうがマスコミについては敵か味方かでわけるタイプだったですからね。内部文書を見ても高市氏は慎重に検討している文言がありますよ。高市氏が『辞任』まで口にしたのは言い過ぎでした。総裁候補の一人でもあり、すぐに進退に言及するのは避けるべきです」

 との見方を示す。

 一方、立憲民主党からは「内部文書は確かなものと総務省も認めている。高市氏の辞職までもっていきたい」と意気込んだ声が聞こえてくる。

 今後、さらなる「どんでん返し」があるのだろうか。

(AERA dot.編集部 今西憲之) 

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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