2023年は、男子校は難関から中堅まで、まんべんなく志願者数を伸ばして厳しい戦いになりました。伝統のある女子校も、相変わらず人気に。活況の埼玉を牽引する栄東(さいたま市)は、今年で、10年続けて志願者が1万人を突破しました。一方で、付属校は人気が一服し、隔年現象が見受けられて増減はまだら模様になりました。(※志願者の数値は、首都圏模試センターによる2月11日時点の集計による)

MENU ■男子校は志願者数増の傾向 ■女子校はコロナ禍でのきめ細かいケアが高評価 ■付属校は志願者数減の傾向

* * *

 今年の注目校を、東京から見てみよう。増加率トップは日本学園(東京都世田谷区)で、233人から1322人に増加。実に6倍近くに達した。2026年から明治大学の系列校になり、およそ7割が推薦入試によって進学できるとされていることから、受験生や保護者の好感を呼んだ。明治大学の系列化とともに、校名を「明治大学付属世田谷」と変更し共学になる。

「日本学園は探究型のプログラムがしっかりしており、京王線の明大前駅至近に立地するわりに緑が多く環境も良い。明治大学の系列化をきっかけに興味を持った保護者が、同校の良さを認識したのではないでしょうか」(サピックス教育情報センター本部長の広野雅明さん)

■男子校は志願者数増の傾向

「東京の男子校は日本学園が大幅に伸びて目立ちましたが、実は難関校から中堅校までほとんどの学校が増やしています」(安田教育研究所代表の安田理さん)

 足立学園(足立区)は589人から1612人と3倍近く増加。本郷(豊島区)は2231人から2590人、高輪(港区)は1653人から1974人と多くが前年以上の志願者を集め、男子校は厳しい戦いとなった。今年は、例年多くの志願者を集める人気の男子校、東京都市大学付属(世田谷区)が入試日程を大きく変更した。昨年まで行っていなかった2月1日の午前入試に参入し、2日の日程を廃止。攻玉社(目黒区)、世田谷学園(世田谷区)、本郷、巣鴨(豊島区)などに影響を与えた模様だ。

著者 開く閉じる
柿崎明子
ライター 柿崎明子

NEXT女子校の注目点は
1 2 3