元衆院議員の宮崎謙介氏(左)と、独身研究家の荒川和久氏
元衆院議員の宮崎謙介氏(左)と、独身研究家の荒川和久氏

 少子化を食い止めるには、異次元の対策が必要だ。子どもだけ欲しい女性、一夫多妻を望む男性……。常識からは外れているが、ちまたの本音にはヒントも溢れているようだ。男性の国会議員として初めて「育休宣言」をした元衆院議員の宮崎謙介氏と、独身研究家の荒川和久氏の2人に、国会では聞けない、本当の少子化対策について議論をしてもらった。<後編>

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前編:「恋愛強者3割の法則」とは?少子化対策で見落としがちな視点】からづづく

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  • ――「少子化」は、婚姻数の減少による「少母化」が大きいと指摘する荒川氏。ならば「子育て支援」だけでは少子化は食い止められないだろう。2人はどう考えるか。

宮崎 恋愛結婚をして子どもを産むことを想定すると、少子化を改善するには、男女が3つの山を順番に越えないといけない。子どもを生む前に、結婚があり、さらにその前に「恋愛」というハードルがあるのです。

 最初の恋愛でつまずいてしまっている人が多い印象です。子育て支援だけではなく、ここも真剣に議論しないといけない。

 また、結婚というハードルを取っ払って、恋愛からそのまま子どもを産める社会にするというのも考えの一つだと思います。

 極端な例かもしれませんが、たとえば銀座や六本木のホステスの方と話していると、優秀な経営者を見てきて、一般の方との恋愛できなくなっている人も多い。でも、子どもは欲しいと。既婚者ばかり見てきて、結婚にはあまり夢がないと気づいたけど、子どもは欲しいという人もいました。

荒川 夫はいらないということですね。ノーベル賞学者の精子が欲しいというような話もありました。

宮崎 そう。優秀な遺伝子を1億円で買うというような話もある。将来、そうした遺伝子を手に入れるための「遺伝子ローン」という金融商品も出てくるかもしれません。

 恋愛には、ちまたでまことしやかにささやかれている「グッピー理論」というのがあります。同じ水槽内に同数のオスとメスのグッピーを入れます。その中で1組のオスとメスが交尾をはじめたら、他のメスたちもそのオスを選んでしまうというものです。つまり、モテるオスをメスは選び、結局モテるオスに集中する。生物学の理論として本当に正しいのかはさておき、平等にマッチングするのは難しいということを言い当てている気がします。

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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