太りやすい年末年始、体質改善で太りにくいからだを目指しましょう ※写真はイメージです (c)GettyImages
太りやすい年末年始、体質改善で太りにくいからだを目指しましょう ※写真はイメージです (c)GettyImages

 年末年始はごちそうの誘惑が多くて太りやすいシーズンです。食べ過ぎに注意していても、気づいたら体重が結構増えてしまった……という方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、日本の漢方のルーツである中国の伝統医学「中医学」をもとに【ダイエットをスムーズにする体質改善】をお届けします。「痩せたい」は多くの女性の尽きない悩みですが、無理なダイエットで体調不良や肌荒れなどを招いては本末転倒。体質を健やかに整える中医学の知恵を摂り入れて、身体の中から「キレイに痩せる」をめざしましょう。

【教えてくれた菅沼 栄先生(中医学講師)はこちら】

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■体質改善で「太りにくい」身体づくりを

 ダイエットは、食事をコントロールして肥満を予防し、健康を保つことが本来の目的。痩せるためだけに過剰な食事制限などをすると、体力も落ち、貧血や月経異常、骨粗しょう症、肌荒れ、抜け毛といったさまざまな不調を招いてしまうので注意が必要です。

 また、自分では太り過ぎと感じていても、実際には標準的な体重というケースも少なくありません。まずは自分の適正体重を知り、肥満気味かなと感じたら、無理をせず健康的に体重を落とすよう心がけましょう。

■体内の不調で「太りやすい体質」になっている?

 中医学では、肥満は食べ過ぎや運動不足のほか、体内にも不調があり「太りやすい体質」になっている状態と考えます。

 そのため、ダイエットをするときも、まず太る原因となっている不調を改善し、体質を健やかに整えることが基本に。すると、肥満の解消につながることはもちろん、身体全体が健康になるため、元気が出て肌や髪のツヤもアップ。リバウンドもしにくくなり、すっきりとキレイに痩せることができるのです。

 肥満は生活習慣病と深い関わりがあり、高血圧や心臓疾患、脳血管疾患、糖尿病など、さまざまな病気のリスクにもつながります。これからを元気に過ごすためにも、中医学の知恵を活かした「健康ダイエット」を心がけ、ムリなく上手に体重をコントロールしましょう。

<チェック> 肥満タイプ別・体質改善でダイエット

 まずは自分の適正体重・BMI値(肥満度の目安となる体格指数)の確認を。肥満気味の人は、そのタイプから自分の体質をチェックしましょう。

●チェック1:適正体重
身長(メートル)×身長(メートル)×22=適正体重

●チェック2:BMI値
体重(キログラム)÷身長(メートル)÷身長(メートル)=BMI値
※一般的なBMI値の目安:18.5以下:低体重/18.5以上25.0未満:普通体重/25.0以上:肥満

【タイプ1】胃腸の働きが弱い「洋ナシ型肥満・痰湿(たんしつ)」タイプ

胃腸の働きが弱い「洋ナシ型肥満・痰湿」タイプ イラスト:jidcreateteam / PIXTA(ピクスタ)
胃腸の働きが弱い「洋ナシ型肥満・痰湿」タイプ イラスト:jidcreateteam / PIXTA(ピクスタ)

<気になる症状>
主に皮下脂肪型肥満、痰が多い、むくみ、頭重(ずじゅう)
熱が発生すると食欲旺盛、便秘、赤ら顔、口の渇き

<改善ポイント>

「洋ナシ型肥満」(皮下脂肪型肥満)は腰まわり、太もも、お尻など、主に皮下組織に脂肪が蓄積し、下半身の肉づきが良くなるタイプ。皮下脂肪がつきやすい女性に比較的多く見られます。 

「脾胃(ひい)」(胃腸)の働きが弱い、あるいは暴飲暴食、冷たいものや水分の摂り過ぎなどで胃腸が弱っています。水分代謝が落ちて体内に「痰湿(たんしつ)」(余分な水分や汚れ)が溜まりがちになり、いわゆる「水太り」のような皮下脂肪の多い「洋ナシ型肥満」を招いてしまうのです。

 このタイプは、過食に注意してバランスよく栄養を摂る、冷たい飲食は控えるなど、脾胃に負担をかけない食生活を心がけることが大切。

 また、痰湿は長く停滞すると体内に余分な熱を生み、便秘や食欲増加を招いてしまうことも。すると、さらに「太りやすく痩せにくい」体質になってしまうので、溜まった痰湿や熱は早めに取り除くよう心がけましょう。

<摂り入れたい食材>
●利水作用、通便作用のある食材を積極的に
冬瓜、苦瓜、たけのこ、もやし、春雨、はと麦、大根、蓮の葉、こんにゃく、ところてん、海藻類、とうもろこしの髭茶 など

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