神戸教育会館の担当者はそう話す。

 全国霊感商法対策弁護士連絡会の加納雄二弁護士は、

「地方議員が、旧統一教会にカネを出してもらって韓国のイベントに参加するなんてことは、PRに使われるだけで許され難いです。旧統一教会が社会的に問題があると指摘されている団体で、今も深刻な被害に悩んでいる国民が多数いることくらい、インターネットでも見ればわかるはず。また、公共性が高い施設がいとも簡単に旧統一教会に貸し出され、それが信用の一端になっていることも大きな問題です」

 と話している。

 政治資金に詳しい神戸学院大の上脇博之教授は、

「合同結婚式が行われているのを見れば、明らかに旧統一教会のイベントとわかる。この時点で、社会的に問題になった団体のイベントだと理解して、その場で招待を辞退するべきです。合同結婚式の参加については、政治倫理的に問題であり、政治家として失格です」

 と批判する。

 また、旅費などを教団側が支払った件については、

「教団側はその人物が政治家であるから招待するわけで、議員は政治活動としてイベントに参加していると認識すべきです。政治活動で旅費などを教団側に出してもらうとなると、イベント主催者から寄付を受けたということになる。政治家個人で寄付を受けることは、政治資金規正法で禁止しています。政党の支部などに寄付することはできますが、その場合は収支報告書に記載する必要があります。記載がなければ、政治家個人が違法な寄付を受けた可能性が出てきます」

 と違法性も含め、指摘している。

 イベントに参加した50~60人の地方議員のなかには、他にも「アゴアシ(食事代、交通費)付き」だった議員がいるはずだ。息をひそめて「逃げ切る」つもりなのだろうか?

(AERA dot.編集部・今西憲之、吉崎洋夫)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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