松川るい参院議員(右)とたかまつなな
松川るい参院議員(右)とたかまつなな

 日本が危なくなったら「やめろ!」と言ってくれる、声を上げてくれる仲間がどれぐらいいるかが大事です。外交というのは一言で言うと、日本という国が国際社会の中で有利な立ち位置になるようにするために、あらゆる手段を使うということなんです。そのときに防衛力というのはすごく大事なのです。

“いい子”の国はいいんですよ、話せば分かるみたいな。でも、話しても分からない国に対して言うことを聞かせるときに、やっぱり防衛力が後ろにあって「いざとなれば、私にも考えがありますよ」と言えるかどうかは、非常に大きいことです。

■外交の現場が分かる立場で日本に貢献したい

――松川さん個人のことについても伺いたいです。元外交官で政治家の方は、参議院の自民党議員ではお一人だけと伺いました。そもそも、どうして政治家になろうと思われたんですか?

松川:ぶっちゃけ、(選挙に)出てくれって頼まれたんですね。それまでは政治家になることは考えたこともなかった。親戚中見回しても、政治家は1人もいないような普通の家庭でしたから、「政治家」という職業は私のレーダーの中に入ったことがなかった。何より、外交官は好きでやっていましたし、辞める気も全然なかったので、最初は断ったんです。でも一方で、誰にでも声をかけているわけでもないだろうから「ありがたいことだな」と思ったし、断るにしてもどうしたらいいものか、私のことをよく知っている外務省の先輩に相談したら「なんで断っちゃうの。少し考えてみたら。向いてると思うよ」って言われて。そこから考え始めて2~3カ月間、いろいろあって、悩み抜いて決断しました。外交や安全保障に詳しい国会議員は他にもいると思うんですけど、外交の「現場」を分かっている元キャリア外交官はほとんどいないので、そういう人間が政治にいることも日本のために少しは役に立つかなって。

 でも、(議員になると)決めるときに自分の心の中にあったのは、民主党時代が本当にひどかったことです。よく安倍元総理が「悪夢のような民主党政権」とおっしゃっていましたが、本当に悪夢だったから……。

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“政治の師”である安倍元首相への思い