アメリカでは、看板が置かれている小学校があるみたい。その看板は、企業がお金を出して広告を出す仕組みになっているんだ。たとえば「よしお事務所」がお金を出してその看板に広告を出すとするでしょ。広告のお金は学校に入って、学校はそのお金でパソコンや机を買う。どうやって学校が成り立っているのか、生徒はお金の流れを学ぶことができる。それに、生徒たちがいろんな場所で「よしお事務所の看板があったよ」って言えば企業の宣伝効果も見込めるんだ。
よしおは中学生のころ塾に通っていたけど、ほとんど遊んでいたなあ……。自分にどれだけお金がかけられているかなんて、考えたこともなかった。
お金について考えるようになったのは、高校を卒業して、浪人生活が始まったとき。そのときにはじめて「うちにはお金がないんだ……!」ってことに直面して、お金のことを考えるようになったよ。そのころ、お父さんが選挙に出馬してお金がなくなって、それを工面するためにお母さんが沖縄料理店を始めようとしていたんだ。
お店の開店資金をやりくりする様子をそばで見ていて、「塾に行くお金、ないじゃん……!」って気づいたんだよね。そこでよしおは、ある塾の、一番安い講座をひとつだけとって、自習室をたくさん利用して、本屋さんで買った参考書で勉強していた。電車やバスで移動する遠い場所も自転車を使って移動したり、買い食いはできるだけがまんしたりして、するとしても安くてたくさん入ったパンでしのいでいたなあ。
せつ子ちゃんのように、小学生のころからお金の大切さに気づいていたらよかったのになあ、って思うよ。せつ子ちゃんのお金に対する感覚は、これから生きていくうえで絶対に必要!! もう気づけているなんて、さすがだね。
■お金は「使う」「ためる」だけじゃない!
いまやっている節約は、ぜひ続けてほしい! そのうえで、お金に興味があるならもっとお金のことを勉強してみるのはどうだろう? よしおが子どものころは、お金は「使う」か「ためる」しか知らなかった。せつ子ちゃんがやっている節約は、「ためる」になるね。
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