安心が届けられるか問われている農水省
安心が届けられるか問われている農水省

 ちなみに、殺処分についてはどうなのか。農水省動物検疫所の担当者に尋ねると、こう答えた。

「飼い主がいる動物に対して、我々のほうで勝手に殺処分するというのはできません。常識的に考えて、そんな強権的なことはできませんし、権限もない。飼い主がいなくなってしまったとしても、身元引受人を探すなど対応します」

 農水省に対しては依然として抗議の連絡が多数届いているという。今回の騒動は、安全ではあるが、安心が届けられていない状況といえそうだ。

(AERA dot.編集部・吉崎洋夫)

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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