1996年シーズンまで中日の本拠地として使用されたナゴヤ球場
1996年シーズンまで中日の本拠地として使用されたナゴヤ球場

 中日のかつてのホームグラウンドだったナゴヤ球場は、本拠地移転から25年がたった今でもファンにとっては特別な場所だ。

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 今年は立浪和義新監督を迎え、チームへの期待とともに旧本拠地にも再び注目が集まっているという。

 本格的な野球シーズンを到来を目前にし、人気ロックバンドの「サカナクション」がナゴヤ球場のライトフェンスに広告を掲出したことが話題となった。アーティストが自腹で枠を購入し、球場に広告を出すのは異例中の異例のことだ。

「幼少期から実際に行けたことはないですけど、映像や写真を通じてずっと目に焼き付けているナゴヤ球場のフェンスに広告を出せるチャンスがあると聞いて、すぐに飛び付きました。いつも選手が頑張っている姿を見ています。そういう場所に出せたのは感慨深いです」(サカナクション・山口一郎氏/3月2日・中日スポーツ)

 ボーカル兼ギターを務める山口氏は、父親が中日の地元でもある岐阜県出身だったこともあり熱烈な中日ファンになった。現在も二軍の試合をチェックするなど大の中日ファンで、ナゴヤ球場の広告枠が空いていることを知り自費での購入を決めたという。

「広告料金は1軍が使用しているバンテリンドームに比べれば安いとはいえ、個人で購入するには高額。ナゴヤ球場は2軍戦で使用しているとはいえ露出は少なく広告効果は期待できない。それでも出稿したのは山口氏の思い入れが強かったのでしょう」(大手広告代理店関係者)

 山口氏は1980年生まれ。1996年限りで1軍戦使用が終わったナゴヤ球場の“晩年”が中学から高校の思春期にあたる。強かった中日が昭和の香りのする球場で暴れ回っていた姿は山口氏の記憶にも強く残っており、それが今回の決断に至ったのだろう。

 開幕前にナゴヤ球場が話題になったのは今回だけではない。2019年3月7日にはDeNAとのオープン戦が行われ3504人の観客が集まった。1軍の有料試合としては23年振りに使用され、全席自由席で約3500枚用意した入場券は即完売となった。そして今年の3月9日にはオリックス戦が開催され、コロナ禍にかかわらず2498人が集まり再びの大盛況となった。

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ファンからは“復活”を望む声も