また、採点をする場合に注意する点があるそうです。

「国語の記述問題は、模範解答を見ながら親や子どもが丸付けをしても、正確な点数をつけることができません。なぜなら、模範解答は大人に見せるために書かれているもので、模範のように書くことは小学生にはほとんど不可能だからです。添削をする際は、AとBの2つの内容が書けていれば正解、と言ったポイントがあります。いくらたどたどしい言葉使いであってもそれで減点にはなりませんから、できれば国語の採点は塾の先生にお願いし、正確な点数を把握するようにしましょう」(同)

■親が注力するべきは、受験校の選定と日程調整

 そして親が行う最も大切な仕事に、志望校、併願校選びがあります。親が悩むのは、「過去問の出来、不出来をどこまで加味すればいいわからない」ということ。どのあたりをボーダーとして考えるべきなのでしょうか。

「まず、その年の過去問の受験者平均点と合格者平均点をみてみましょう。これは、過去問題集や学校のホームページに掲載されています。たまに、過去問を解いて合格者最低点を1、2点上回って安心してしまう家庭もあるのですが、これでは少々不安です。毎回、合格者平均点を超えていればベストですが、そこに届かなくても無駄に心配することはありません。目安は、合格者の倍率が3倍だった場合は、受験者平均点と合格者平均点の中間点がボーダーと考えるとわかりやすいでしょう。もし、倍率が3倍以上あった年では、中間点よりももう少し上が取れていないと厳しいと考えます」

 これらの結果を踏まえて、確実に合格がもらえそうな併願校を用意して、受験日程を組んでいくと、親としての準備は万全になりそうです。

 さらに西村先生は「子どもにとって最大の武器になるのは、親がいつでも味方でいてくれるという安心感です。点数が悪いと、つい『そんな勉強をしていると合格できないよ』というような発破をかけがちですが、この時期は子どものやる気を維持するためにも、否定語を使わずに『こういう計算ミスがなくなれば合格に近づくね』というふうに励ますようにしてあげてください」と付け加えます。

 勉強内容を逐一見ることができなくても、親にできることはたくさんあります。準備の整った環境で実力を発揮できるようにしてあげることが、合格を勝ち取るカギになりそうです。(鶴島よしみ)

<前編>では、合格を手にするために塾や家庭教師の先生を味方につける方法を紹介しています。

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鶴島よしみ
スローマリッジ取材班 鶴島よしみ

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