関東大震災から100年経った2024年。年明け早々の1月1日に、能登半島で大規模地震が起きました。午後4時という時間帯に発生したことで、すぐさまニュースを知った人も多いのではないでしょうか。今回は、私たちには何ができるのかまで含め、能登半島地震がどのような地震だったのかをジャーナリストの一色清さんに伺いました。「AERA with Kids 2024年春号」(朝日新聞出版)から紹介します。

MENU Q.どれくらい大きな地震だったの? Q.これまでの地震と違う特徴はあるの? Q.自分たちにできることには何があるの?

Q.どれくらい大きな地震だったの?

 今回の地震の震源地は石川県能登半島の先端部で、地震の規模を示すマグニチュードは7・6でした。2011年の東日本大震災はマグニチュード9・0と桁外れの大きさでしたが、能登半島地震のマグニチュード7・6は、阪神・淡路大震災(1995年)、熊本地震(2016年)の7・3を超える大きさで、かなり大規模な地震であったことがわかります。

 揺れの強さを示す震度は、輪島市と志賀町で最強レベルの7を記録しました。これまでに震度7を記録した地震には、阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震のほか、新潟県中越地震(2004年)、北海道胆振東部地震(2018年)があり、能登半島地震で6度目です。また気象庁によれば、石川県で震度7の地震が起きたのは、観測史上初めてとのこと。

 亡くなった人の数も241人(24年2月現在)で、東日本大震災から後の地震では、熊本地震の273人に次ぐ多さです。建物の倒壊や断水などで自宅での暮らしができなくなり、避難をした人も、一時は3万4千人にのぼりました。

 海底では約150キロメートルにわたる長い断層が破壊されて、陸地が最大4メートル隆起しました。輪島市や珠洲市の海岸線など、海底隆起で陸地が拡大したところもあります。

Q.これまでの地震と違う特徴はあるの?

 特徴は四つあります。一つは半島の先端部が震源地だったため、速やかな情報収集や救援・救助がむずかしかったことです。能登半島の先端部は鉄道がなく、道路を使って行くしかありません。その道路が途中で寸断されてしまい、現地になかなかたどり着くことができず、初動対応に時間がかかってしまいました。

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八木沢由香
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