川田裕美さん(撮影/松永卓也・写真部)
川田裕美さん(撮影/松永卓也・写真部)

 中学生のときから「アナウンサーの仕事にあこがれていた」という川田裕美さん。順調に夢にたどりついたかと思いきや、高校時代には大きな挫折があった。発売中の『国公立大学 by AERA2022』のインタビューで語った、再び前を向くきっかけになった大学での出会いとは。

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 落ち着いた声と優しい笑顔。バラエティー番組では芸人たちとも軽やかに渡り合う。しかも国立大学出身と聞くと、「バランスのとれた優等生」をイメージするが、意外にも本人は「高校時代は劣等生。補習の常連でした」と告白する。

「中学までは勉強でさほど苦労することはなく、高校受験で公立の進学校に入りました。でも入学直後から『あれあれ? なんかおかしいぞ』と。授業に全然ついていけなかったんです」

■クラス最下位の成績崩れ落ちる自信

 スピードの速い授業にも余裕でついていくクラスメート。先生に当てられたらどうしようとビクビクする自分。その差に衝撃を受け、自信を失った。

「転げ落ちるようにクラスの最下位になりました。つらかったです。休み時間や放課後は楽しくても、授業時間のほうが圧倒的に長いので、本当につらい。休みがちになり、高2のときには『このままだと3年生に進級できない』と言われました」

 覚悟を決めて予備校に通い始めたものの、心の中では「大学に行かないという選択肢もあるのでは」と思い始めてもいた。

「積極的に就職を考えていたわけではなくて、単に逃げていただけ。最終的に受験校を私立大学に絞ったのですが、それも『逃げ』でした」

 国公立大学を受験する友だちが多いなか、「私立大学を受験したい」と親に伝えるのは怖かったという川田さん。

「成績が悪いうえに『私大の受験料を払ってください』とは言いにくくて……。特に父には反抗もしていたので、叱られると覚悟していました。でも父は『裕美が受けたいと思う大学やったら、いくらでも協力する』と言ってくれた。私が苦しんでいたこともわかって、見守ってくれていたんですね」

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私立大受験に絞っていたが…