他球団のスコアラーは加藤についてこう評する。

「確かに打撃は確実性が課題ですが、守備で補って余りある活躍をしている。加藤は配球がオーソドックスに見えて意外性がある。つかみどころがないというか、なかなか傾向と対策が難しいリードをしてくる。玄人好みの捕手ですね。あの強肩があるから、投手は走者が出ても神経を使わずに投げられる。シーズン終盤で1試合も落とせない試合が続く中、ロッテは守備力に重視を置いた布陣になっている。加藤はチームのニーズにぴったりハマっている選手だと思います」

 中日は木下拓が不動の正捕手になりつつあり、あのまま中日にいてもチャンスがなかなか巡ってこなかっただろう。ロッテは今季途中でDeNAからトレード補強した国吉佑樹も23試合登板で2勝0敗15ホールド2セーブ、防御率1.57と「勝利の方程式」に不可欠な存在になっている。環境が変われば、力を発揮する選手は数多くいる。「守備型捕手」の需要は今後高まるかもしれない。(牧忠則)