全米オープン3回戦で敗退した大坂なおみ(Getty Images)
全米オープン3回戦で敗退した大坂なおみ(Getty Images)

 全米オープン女子シングルスに出場した世界ランキング3位の大坂なおみが、3回戦で世界ランキング73位レイラ・フェルナンデス(カナダ)に逆転負けして連覇を逃した。第1セットは7-5と幸先の良いスタートだったが、第2セットを6―5と勝利まであと1ゲームとしながら取れず6-7で落とし、第3セットも4-6で競り負けた。

【写真】重圧に苦しむ大坂なおみ

 最終セットは苛立ちを隠せない表情で、ボールを観客席に打ち込んで警告を受ける場面も。報道によると、記者会見で涙を浮かべながら「正直、自分が何をしたいのか考える時期にきていると感じている。次にいつテニスの試合に戻ってくるか正直分からない。しばらく競技から離れようと思う』と話した」という。

「技術は世界トップクラスであることは間違いありません。ただテニスは技術だけでは勝てない。今回の敗戦はメンタルコントロールできず、ミスを連発して自滅した格好です。気になるのはギアが上がる最終セットで集中しきれていないような雰囲気だったことです。しばらくテニスから離れた方がいいというのは心の問題だと思います。鬱病を告白した後に東京五輪に出ましたが、今後のテニス人生を考えた時にかえって負担が大きくなってしまったのではないか。個人的には五輪に出ないで期限を設けずゆっくり休んだ方が良かったと思います」(スポーツ紙記者)

 心身のバランスを保つのは非常に難しい。トップアスリートと呼ばれる大坂も23歳の若者だ。5月の全仏オープンで1回戦勝利後、記者会見を拒否。すべての四大大会主催者から連名で「(今後も記者会見に応じない場合は)全仏の失格、他の四大大会出場停止などにもつながりかねない」と警告を受け、2回戦を棄権した経緯がある。その際に自身のツイッターで、「オフィシャルな場所で話すのが元々得意なタイプではなく、世界中のメディアを前に話すことに大きな不安を抱えるようになっていた」と2018年の全米オープンで四大大会初優勝してから鬱病の症状に悩まされていたことを告白している。

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