チームメイトから手荒い祝福を受けたパイレーツ・筒香嘉智(GETTYImages)
チームメイトから手荒い祝福を受けたパイレーツ・筒香嘉智(GETTYImages)

 日本が誇る強打者は「二刀流」の大谷翔平だけではない。崖っぷちから復活したのがパイレーツ・筒香嘉智だ。

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 現地時間29日に本拠地で行われたカーディナルス戦に「6番・右翼」でスタメン出場すると、2点を追う9回1死一、二塁の場面でスライダーをフルスイングすると、打球は右翼場外へ。逆転サヨナラ3ラン本塁打を放ち、チームメートから手洗い祝福を受けた。パイレーツ移籍後の13試合で打率.333、5本塁打、11打点。「メジャーでは通用しない」という声を吹き飛ばす活躍を見せている。

 DeNAで通算205本塁打をマーク。侍ジャパンでも4番を担うなど日本球界を代表する主砲として活躍してきた。19年オフにポスティング・システムで移籍したレイズで主力として期待されたが、昨年は打率.197、8本塁打、24打点。2年契約最終年の今季も26試合出場で打率.167、0本塁打、5打点と結果を残せなかった。5月11日にロースター40人枠から外れ、ドジャースにトレード移籍したが、打率.120、0本塁打、2打点。6月9日に右ふくらはぎの張りのため負傷者リスト入りした。3Aでは徐々に調子を上げ、打率.257、10本塁打、32打点。筒香は「直球に弱い」と言われていたが、米国在住の記者は「この3Aでプレーした期間が分岐点になったのでは」と分析する。

「レイズ、ドジャースでは結果を出さなければいけないという重圧もあったのでしょう。フォームがどんどん崩れて手打ちのようになっていた。3Aで毎日打席に立つことで懐の広い打法を取り戻して、米国の投手特有の速くて手元で動く軌道に対応できるようになった。パイレーツで好調を維持しているのは決して偶然ではなく、努力を積み重ねた実力の賜物だと思います」

 筒香は天才肌の選手ではない。横浜(現DeNA)に入団してレギュラーをつかんだのは高卒5年目。若手の選手たちが参加する秋季キャンプのメンバーから外れたこともあった。

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