俳優・脚本家の佐藤二朗さん
俳優・脚本家の佐藤二朗さん

 個性派俳優・佐藤二朗さんが日々の生活や仕事で感じているジローイズムをお届けします。今回は、小学生になる佐藤さんの息子が3、4歳だった頃の発言について。

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 先日、自分の部屋で書きものをしていたところ、息子が部屋をノックしまして。

 その時、妻は買い物に出掛けており、家には僕と息子の2人。で、「お父さん、暇だから遊ぼうよ」と。

 一応、夏休みの宿題の、今日のノルマはやり終えたようだったので、「じゃあ、お父さんの宿題(息子にしっかり宿題をやらせるため、家では台詞覚えや執筆作業などの仕事を「お父さんの宿題」と呼んでいる)が終わったら遊ぼう。それまで、これでも読んでなさい」と、本棚でたまたま目についた、僕のツイートをまとめた本、「のれんをくぐると、佐藤二朗」(あの、タイトルです、本の)を息子に渡しました。

 息子が小学校にあがってからは、妻との約束で、息子のことは極力ツイートに書かないことにしてるんですが、何年か前、3歳とか4歳の時に自分がいかにオモロイ発言をしたか、きっと覚えてない発言もあるだろうけど、とにかく「今」の息子が、過去の自分の発言に対してどんなリアクションを示すのか、興味があったのです。

 執筆作業をする僕の背後で、食い入るように、過去の己の発言を読み漁る息子。

 …(真剣に読み)静寂。爆笑。静寂。爆笑。静寂。爆笑。静寂。爆笑。静寂。爆笑。めっちゃいい客。

 てか、過去の自分の発言に爆笑してるわけですから、めっちゃ自画自賛。まあでも、自分でもそんなオモロイ発言をしたこと、ほとんど覚えてないんでしょうな。なにせ3歳や4歳の頃の発言ですから。

 ただ、あんまり笑うので僕もなんだか嬉しくなり、そんなわけでそのいくつかを今回、ご紹介します。そして、あの、過去ですからね。息子の過去の発言ですから。さすがに今の息子は、あの頃より大きくなったので、これから紹介するような常軌を逸した発言はしなくなりました(←これをしっかり書かないと妻に怒られるんです)。

 では。

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佐藤二朗

佐藤二朗

佐藤二朗(さとう・じろう)/1969年、愛知県生まれ。俳優、脚本家、映画監督。ドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズの仏役や映画「幼獣マメシバ」シリーズの芝二郎役など個性的な役で人気を集める。著書にツイッターの投稿をまとめた『のれんをくぐると、佐藤二朗』(山下書店)などがある。96年に旗揚げした演劇ユニット「ちからわざ」では脚本・出演を手がけ、原作・脚本・監督の映画「はるヲうるひと」(主演・山田孝之)がBD&DVD発売中。また、主演映画「さがす」が公開中。

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