ダルビッシュ翔。YouTubeチャンネル「ワルビッシュTV」(https://www.youtube.com/channel/UCNcD4_v1iiNwe_7mRnlEtgQ)で発信を続けている(撮影/写真部・戸嶋日菜乃)
ダルビッシュ翔。YouTubeチャンネル「ワルビッシュTV」(https://www.youtube.com/channel/UCNcD4_v1iiNwe_7mRnlEtgQ)で発信を続けている(撮影/写真部・戸嶋日菜乃)
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 メジャーリーガーのダルビッシュ有の弟・翔(32)が、アウトロー系YouTuberとして人気を博している。過去には傷害や野球賭博などの容疑で警察に逮捕されるなど「不肖の弟」として知られたが、現在は建設会社など事業を営むかたわら、1年前から始めたYouTubeチャンネルで発信を続けている。自らの過去をどう総括してYouTuberとなったのか、また兄のダルビッシュ有とは今どういう関係なのか。本人に聞いた。

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――YouTubeチャンネル「ワルビッシュTV」を立ち上げてから約1年がたちました。それまでは逮捕の報道などで翔さんの名前が取り沙汰されることはあっても、ご自身が表に出てくることはありませんでした。顔と名前を出して、YouTubeを始めた理由は何だったのでしょうか。

 2015年に野球賭博で逮捕(賭博開帳図利と常習賭博罪の容疑)されたときもそうでしたが、マスコミで事実と全然違うことを報道されても、その後に「ここが違う」と自分で発信できる場所がなかったんです。バックに暴力団がいたんじゃないかとか、兄貴(ダルビッシュ有)がどうのこうのとか、逮捕時には、根も葉もないことが報道されるわけです。

 当然、世間はそれを信じるし、それが僕のイメージになる。逮捕されたのは僕が悪いので言い訳できませんが、逮捕された人間もその後に人生が続くわけです。極悪人のように報道されたままだとネットにもずっと残るし、社会復帰もできなくなる。それがまた犯罪の温床になったりもするんじゃないかと思ったんです。だから自分も含めて、罪を犯した人でも、その人たちが正当に主張できる場所を作りたい。そう思って始めたのが「ワルビッシュTV」なんです。

――YouTubeで発信することによって、誤解されていたイメージを正したかったということですか。

 最初はそれが大きな目的でした。でも、嫌われたくないとか批判されたくないとか、そういうことではないんです。今でもコメント欄なんかでめちゃめちゃ批判もされてますから(笑)。顔も名前もさらしてYouTubeで話す僕を見てもらって、それでも嫌いになるんなら、嫌ってもらっていいんです。ただ、真実でないことを元にいろいろと言われ続けるのは違うだろうという思いはずっとありました。

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「暴力が金になることを覚えた」