19年に4位で緒方孝市前監督が退任すると、新たに就任した佐々岡真司監督の下で昨年は5位。今季も前半戦終了時点で30勝42敗10分の5位と低迷している。

 選手の能力が劣っているわけではない。五輪決勝・米国戦で5回無失点と完ぺきな投球を見せた森下暢仁、大会で不動の4番を張った鈴木誠也、大会全5試合に登板して2勝3セーブと金メダルに大きく貢献した守護神・栗林良吏、二塁で鉄壁の守備を誇る菊池涼介と12球団で最多の4人が今回の侍ジャパンに選出されている。選出されたが、故障で大会前に出場辞退を決断した会沢翼を含めると5人になる。

 投手陣は大瀬良大地、九里亜蓮、野村祐輔、野手陣は西川龍馬、松山竜平、野間峻祥と黄金時代を知る主力がそろい、若手も坂倉将吾、小園海斗、林晃汰、中村奨成、羽月隆太郎と伸び盛りの成長株たちが台頭している。

「リリーフ陣が整備されていないなど課題はありますが、これだけのタレントを擁して5位に低迷しているのは首脳陣にも原因があると思います。広島は生え抜きのコーチ陣ばかりで目立った指導実績がない。佐々岡監督も疑問符のつく采配が多々見られます。監督やコーチ陣を刷新することで劇的にチームが変わる可能性を秘めているのが広島だと思います」(スポーツ紙デスク)

 指導歴のない新井氏がいきなり監督に就任するのは賛否両論の意見があるかもしれない。だが、NPBで指導経験がなかった元広島の野村謙二郎氏が10年から5年間采配を振るったように、新井氏が監督に抜擢される可能性がないとは言い切れないだろう。
(梅宮昌宗)