兵庫県警が事件当時、公表していた犯人の似顔絵(C)朝日新聞社
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元少年のA容疑者がSNSで公開していた写真
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A容疑者がSNSに投稿したコラージュ
A容疑者がSNSに投稿したコラージュ

A容疑者がSNSに投稿したコラージュ
A容疑者がSNSに投稿したコラージュ

 神戸市北区で2010年10月、高校2年の堤将太さん(当時16)が刺殺された事件で兵庫県警に電撃的に逮捕された当時17歳だった28歳の男、A容疑者の異様な素顔が浮かび上がってきた。

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  逮捕当日の8月4日朝、愛知県豊山町にあるA容疑者の自宅周辺はものものしい雰囲気だったという。A容疑者が両親と住んでいた戸建て住宅に通じる道はすべて警察車両で封鎖された。そして20人ほどの警察官がA容疑者宅になだれ込んだのだ。数分後、A容疑者は警察車両で愛知県小牧署に連行され、そこで逮捕された。

「5年ほど前に引っ越してきた。A容疑者と思われる人は普段、外でたばこを吸っていたり、犬の散歩をしている姿を見かけたぐらいで交流はまったくありません」(近所の人)

 A容疑者は兵庫県警の調べに対し、容疑を認め、「犯行現場の近くに当時は住んでいた」などと供述しているという。

「A容疑者は堤さんが少女と一緒にいる様子を見て腹が立ったという話をしている。だが、堤さんや少女とは面識がなかったようだ」(捜査関係者)

 11年近くに渡る捜査で、兵庫県警は述べ3万3000人の捜査員を投入した。堤さんの家族も街頭でチラシを配布するなど、解決を呼び掛けてきた。

 兵庫県警は今年になって「人殺しをしたと吹聴する人物がいる」との情報を得た。そこで浮上したのが、A容疑者だった。決め手になったのは、DNA鑑定だ。当時、堤さんが着用していたシャツに犯人のものとみられる、DNAが付着。それがA容疑者と一致したという。

 A容疑者はデジタル画像の加工やデザインなどの仕事をしていたとみられる。ホームページやSNSなどで加工技術や方法などについて詳しく発信している。外国人女性の肌をきれいに見せる、写真に自然光を取り入れる、服のシワを取り除くなど専門的な技術が紹介されている。

 インターネットを通じて画像加工やデザインを請け負ったり、技術を指導する仕事もしていた。かなり専門的な知識があるようで、SNSには画像加工ソフトの会社が主催する試験の合格通知を掲載している。

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