そのエウベルよりも多く、そしてユンカーに並ぶ今季7得点を挙げているのが、清水のチアゴ・サンタナだ。28歳のブラジル人FW。コロナ禍での入国制限のために来日が遅れる新外国人が続出した中で、バカンス返上で早期に来日すると、開幕戦から先発フル出場して来日初ゴールもマークして勝利に貢献。その後も身長184センチの体を張って前線の起点となりながら、自らもゴールを奪う力強さで、チームをけん引している。確かにチームは思うように勝点を伸ばせずに20チーム中13位という状況だが、この男がいなければ降格圏に沈んでいてもおかしくなかっただろう。「ベスト3」には入れなければならない。

 一方、「ワースト3」は誰か。来日前の話題性と期待感、その費用対効果を考えると、神戸の“超逸材”ブラジル人FWリンコンが「ワースト1」となる。名門フラメンゴの下部組織育ち、16歳でトップチームデビューを果たし、U-20代表を含む世代別のブラジル代表に名を連ねた弱冠20歳の怪物ストライカー。推定3億円とも言われる移籍金で獲得したが、来日が4月4日まで遅れると、なかなかコンディションも整わず、ようやく4月24日の第11節・鹿島戦から4試合連続で途中出場。そして5月22日の第15節・浦和戦では初スタメンを飾ったが、その試合で負傷交代。その後、約2週間の離脱を経て6月5日のルヴァン杯プレーオフ第1戦・浦和戦で復帰したが、続くプレーオフ第2戦で再び負傷し、左ハムストリング肉離れで全治約12週間と診断された。ここまで公式戦10試合出場で無得点。リーグ戦では5試合148分に出場してシュート5本で無得点。現時点での「ワースト1」もやむを得ない。

 同じくブラジル代表の年代別代表の経験者であるFC東京のブルーノ・ウヴィニも、期待に応えることができていない。U-20ブラジル代表のキャプテンとして2011年のU-20W杯優勝に貢献した後、2012年のロンドン五輪にも出場。フル代表にも3試合に出場した実績を持つセンターバックだが、来日後初先発した4月28日のルヴァン杯・徳島戦で同点弾を決めて見せたが、リーグ戦では5月9日の鹿島戦に途中出場して45分間プレーしたのみ。長谷川健太監督の信頼を掴めていない。来日の遅れ、ポジション、チーム戦術など、いろいろエクスキューズはあるが、やはり肩書がビッグなだけに「ワースト2」に選ばざるを得ない。

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元アーセナルの肩書も…