侍ジャパンでエースとして期待される菅野だが、今月16日に再調整で登録抹消。残り1カ月に迫っている本大会に向けて不安が残る。菅野は開幕直後に脚部の違和感で登録抹消されると、5月8日にも右肘の違和感で戦線離脱。6月に戦列復帰したが、6日の日本ハム戦(東京ドーム)で5回2失点。13日のロッテ戦(ZOZOマリン)も2回2/3で4安打4失点KOとふるわない。初回に149キロを計測した直球は3回に140キロ台前半とガクッと落ちた。5月に右ひじの違和感で登録抹消される直前の登板でも、試合中盤に直球のスピードが急速に落ちていた。3度目の登録抹消の理由は故障でなく再調整だが、体が万全でないことは間違いないだろう。

「勤続疲労はあると思います。入団してから先発ローテーションの柱として投げ続けている。31歳と決して若くない。若い時に比べて体の回復も遅くなっているし、故障すると完治するのに時間がかかる。1軍のマウンドに復帰したい、東京五輪に万全のコンディションで行きたいと気が焦って故障が再発するのが一番怖いです」(スポーツ紙遊軍記者)

 実績のある投手だけに体の状態が万全であれば、東京五輪でもきっちり結果を残すだろう。だが、体の状態を万全にすることが実は一番難しい。

侍ジャパンの先発陣で左腕は大野雄大のみ。韓国の一部メディアが「韓国は左打者が多い。2段モーションでタイミングが取りづらい左腕の宮城を選出してくれなくて助かった」と報じるなど、今回の代表選考は海外でも反響を呼んだ。

 曾澤、中川の出場辞退に続き、菅野も不安を残す。「実績重視」の五輪メンバーは吉と出るか、凶と出るか――。(牧忠則)