がんで「手術ができない」と医師に告げられたらどうすれば? 専門医が解説 (1/2) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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がんで「手術ができない」と医師に告げられたらどうすれば? 専門医が解説

国立がん研究センター中央病院の片井均医師(提供写真)

国立がん研究センター中央病院の片井均医師(提供写真)

 がんの治療といえば手術。近年は、患者にあわせてさまざまな手術方法が取り入れられています。医師が映像モニターを見ながらロボットアームを操作する「ロボット手術」もその一つ。『手術数でわかる いい病院2021』(朝日新聞出版)で、がんの専門医にそれぞれの特徴を聞きつつ、がんの手術にまつわるさまざまな疑問について聞きました。

【がんロボット手術】手術数全国ランキング

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 メスを使ってがんを切除する手術。胃がんや乳がんなど臓器にできる「固形がん」では、多くの場合、第一に選択されます。

 メリットは、早期のがんで完全にがんを取りきれると、治る可能性が高いということです。また、放射線治療や薬物療法と違って、病巣を取り出して詳しく調べられるので、がんの状態を正確に把握できます。

 一方デメリットは、全身麻酔が必要になるため、重篤な持病があり全身状態が悪い場合などは、手術を受けられないことです。ただし、胃がんや大腸がん、食道がんなどの場合、早期に見つかれば内視鏡を使って、がんを切除する「内視鏡治療」が選択できます。

 がんが大きくなり、進行しているほど、手術による合併症や後遺症が起こる確率が高くなります。かつてはがんを確実に切除するために周囲を大きく切除する方法が主流でした。

 しかし近年は根治性を高めつつ、術後のQOL(生活の質)を考慮して機能や形態をできるだけ残す手術が可能になっています。

 手術の方法も、医療の進歩により、変わってきています。からだの中にできるがんでは大きく分けると、「開胸・開腹手術」と「胸腔鏡・腹腔鏡手術(鏡視下手術)」の二つがあります。

 開胸・開腹手術は、胸部や腹部を切開して病巣を直接見ながらメスや手を使ってがんを切除します。一方、鏡視下手術は、胸部や腹部に小さな穴を数カ所あけてそこからカメラやメスを入れて、モニターを見ながら操作します。

 鏡視下手術のメリットは、手術による傷が小さく、術後の回復が早いことです。拡大視できるので、外科医はより細かい手技ができる可能性があります。

 デメリットは視野が狭くなり、手術器具を動かせる範囲に制限があるため、手術の難度が高くなることです。国立がん研究センター中央病院副院長の片井均医師はこう話します。

「開腹手術と腹腔鏡手術を比較した研究では、手術の3カ月後の生活の質は、腹腔鏡のほうが優れていました。ただし1年後になると同じです。最も大切なことは、手術によってがんを治すこと。開腹でも腹腔鏡でも治る確率が同程度の場合に限り、からだの負担が少ない腹腔鏡手術にメリットがあるといえます」


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