その他でも、短距離ランナーの桐生祥秀は2019年7月に開設して登録者数5.97万人。「GoProを付けて走ってみた!」の動画では、ランナー視点で迫力満点の映像を体感することができる。プロバスケッット選手のYouTuberも増加し、山本柊輔やKYONOSUKEこと寺嶋恭之介が自身のチャンネル内で超絶スキルを公開。ラグビーでも元日本代表の山田章仁が2019年11月に「YouTuber宣言」となる動画とともにYouTuberとしての活動を開始。競技を問わず、多くの現役アスリートたちが次々とYouTuberとして活動を始めている。

 さらに今年の6月にはフィギュアスケートの本田三姉妹(真凜・望結・紗来)が、チャンネル名『本田姉妹やで』でYouTuberデビュー。コロナ禍での開設に「今の時期だから3人一緒に居られる時間が多い。みなさまに少しでもパワーをお届けできたら」と長女・真凜は説明。動画の再生数アップに必要不可欠なタイトルやサムネイルなどに凝っているわけではなく、手作り感満載の動画が並ぶが、チャンネル登録者数はすでに41.5万人。三姉妹の仲の良さが伝わり、休日にたい焼きを作る、その名も「たい焼き」という“ド直球”なタイトルの動画が400万回再生を突破するなど、多くのPV数を稼いでいる。

 アスリートたちが自身のチャンネルを持ち、その中で自らの考えや思いをダイレクト発信することができる意義は、アスリート自身にとっても、そしてファンとしても大きく、「WIN-WIN」であることは言うまでもない。コロナ禍によって東京五輪の開催も含め、今後の活動が不透明な日本スポーツ界の中で「アスリートYouTuber」が増えていくことは間違いないだろう。昔からの「スポーツ選手」に加え、昨今は「YouTuber」が小学生の「将来就きたい職業ランキング」の上位の常連となっているが、それを合体させた「アスリートYouTuber」が、あらゆる意味で“最強”なのかもしれない。