薬が効きにくくなる進行期のパーキンソン病に有効な デバイス療法とは (2/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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薬が効きにくくなる進行期のパーキンソン病に有効な デバイス療法とは

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中寺暁子dot.#ヘルス#病気#病院
(イラスト/今崎和広)

(イラスト/今崎和広)

パーキンソン病データ

パーキンソン病データ

 手術ではまず、頭がい骨に直径14ミリ程度の孔を開け、電極を通すための細い電線(リード)を挿入する。次に電線に電気信号を送るための神経刺激装置を胸部に埋め込む。一般的に脳の手術は局所麻酔、胸部の手術は全身麻酔でおこなう。

 24時間持続的に電気刺激をおこなえるので、症状が安定し、薬の量を減らせる。その結果ジスキネジアが軽減する。DBSの効果は電気刺激をしているかぎり続くが、進行とともにいずれは再び薬の量を増やす場合もある。

「DBSも薬物療法も神経回路に働きかけるので、症状に対する効果は同じです。薬が効く運動症状にはDBSも効果があり、薬が効きにくい非運動症状にはDBSも効果がありません」(同)

 この治療の利点は、進行に合わせて効果を最大限に出しつつ、副作用を最小限に抑えるように電気刺激の強弱を調整できることだ。

 DBSを実施すると認知機能や精神症状に影響を及ぼすことがあるので、認知症や精神症状がある人には、実施できない。こうした場合にも選択できるのが、もう一つの手術療法で16年に保険適用された「レボドパ・カルビドパ経腸用液療法(LCIG:デュオドーパ)」だ。小腸に直接薬を投与することで血中濃度を一定に保つことができ、オフの時間帯がなくなる。

■小腸に持続的に薬を入れると症状が安定

 小腸に薬を投与するためには、おなかに小さい穴を開けて胃ろうをつくり、そこから小腸までチューブを挿入する。このチューブに体外式のポンプをつないでジェル状のL-ドパ製剤を持続的に投与する。ただし、薬が入ったカセットをポンプに装着したり、取り外したりする作業を毎日おこなわなければならない。この作業を自分や介護者が毎日おこなえることが、治療を受けるうえでの条件となる。カセットの交換作業は医療行為ではないが、例えば将来的に施設に入所する場合、施設のスタッフに作業をおこなうことを断られることがある。するとデュオドーパは中止せざるをえない。

 また、ポンプはウエストポーチやショルダーバッグにしまって携帯するので自由に動き回れるが、日常的に運動するなど活動的な人にはあまり向かない。


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