「絵本読み聞かせ」動画問題だけじゃない あなたの身の回りにある著作権侵害

朝日新聞出版の本

2020/04/19 11:30

「写真好きのための 法律&マナー」から。イラスト:中根ゆたか(以下同)
「写真好きのための 法律&マナー」から。イラスト:中根ゆたか(以下同)

 新型コロナウイルス感染対策で不要不急の外出自粛が求められているなか、4月10日に絵本や児童書などを刊行する出版社「ブロンズ新社」がツイッターで【大切なお願い】という著作権侵害に関する啓発ツイートをした。4月17日現在、約2万リツイートもの大きな反響を集めている。

【図版】刑事告訴されることも… 正しく「引用」するには?

 近年、YouTubeなどの動画投稿サイトに「絵本の読み聞かせ」動画を投稿したり、メルカリなどのフリマサイトでベープサート(紙人形)や指人形などの二次創作物を販売したりする事例が多く見受けられるという。いずれも著作者に無断で行っていれば、著作権侵害に当たる。これらの違法行為が目に余るため、ブロンズ新社が漫画で解説したものを投稿した。

「絵本の読み聞かせ」は、絵本の各ページを見せながら文章を読み上げるというもの。「忙しくて自分で読み聞かせできないパパやママのために」「素敵な絵本なのでみんなに知ってもらいたい」などといった理由で動画を作って公開している。YouTubeを再生させたスマートフォンを子どもに見せるだけという手軽さゆえに人気も高く、なかには1000万回以上もの再生回数を重ねる人気動画もあるという(現在は削除済み)。

 ひとえに著作権といっても様々な権利がある。今回注目されたのは、著作物を放送したり、インターネットにアップロードしたりすることで公に伝える「公衆送信権」。そして、絵本のイラストを使ってベープサートや指人形などを作った場合の「複製権」(印刷やコピー、撮影、録音、録画、筆者などで著作物を再生する権利)や「頒布権」(著作物の複製物を譲渡・貸与する権利)だ。

 フリマサイトなどで二次創作物を販売して利益を得たり、読み聞かせ動画を作成して広告収入を得たりした場合は、刑事告訴されたり、著作権者から損害賠償請求される可能性もある。もし、利益を得ていなかったとしても、著作権者に無断であれば著作権侵害であることに変わりはない。

 今回の絵本のケースに限らず、インターネット上で横行する著作権侵害が深刻な問題となっている。検索すればすぐにいろんな文章、画像、動画が出てくるため、「ネットで拾った」と自分のもののように安易に使われがちだ。特に目を引くのは誤った「引用」。実際、<出典><引用元>などと明記して元の著作権者への配慮を装っているものも多いようが、著作権法上の「引用」の定義に沿っていなければ何の免罪符にもならないのだ。

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引用の6つの条件を正しく知ろう

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