――オールスターの打撃投手は誰がやっているのですか?

山下:各球団が分担して数名ずつ派遣します。私はオールスターで2回、日米野球で1回投げたことがあります。普段つながりのない選手たちに投げるので緊張します。ただ、さすがスター軍団といったところで、柳田悠岐選手(福岡ソフトバンクホークス)に投げた時、初球を逆方向のレフトスタンドまで運ばれたのには驚きました。

――最後にこの仕事のやりがいを教えてください。

山下:一年目の時、中島裕之選手(現読売ジャイアンツ)に投げたとき、その後の試合で私と同じ左投手から3安打の活躍をしました。ロッカールームで「山下のおかげで打てたよ!」と言ってくれたときは嬉しかった。一流選手たちに投げられる仕事は打撃投手だけ。日々、すごい経験をさせてもらっていると感じます。

【プロフィール】
山下英(やましたすぐる)/1985年1月17日生まれ。石川県出身。名古屋学院大学を卒業後、2007年にプロ野球の独立リーグ「BCリーグ」に所属する石川ミリオンスターズに入団。11年まで投手としてプレーし、5年間で通算29勝を挙げた。左投左打で、現役時代の球速は140キロ。左打者の胸元に食い込むシュートが武器。12年から西武ライオンズの打撃投手を務め、現在8年目。

(構成/井上啓太)