だって、高齢者への支給額を下げて、現役世代の負担を減らさなきゃいけないって、ずっと問題になっているのに政治家はみんなそれを避けている。なぜかって? 参議院選挙が近いからですよ。与党だけじゃなく、野党もじいさんばあさんの票がほしいからです。将来の年金制度よりも、自分の議員としての立場が大事なわけです。

 年金制度なんて、地球上に日本人がいる限りずっと続いていくんですよ。政府がやめたって言うまで“破綻”はしない。ただ現役世代が収める額と、高齢者がもらう額が変わっていくだけなんです。いま厚生年金の保険料率は18.3%(労使折半で自己負担は半額)ですが、このままだと若い世代がどんどん金を払うことになり、我々の生活が破綻するってことなんです。

 しかも、いまの高齢者は僕らに比べて払っていません。ものすごーーく簡単に説明すると、いまの高齢者が得している状態なんです。夫婦2人とも公務員だった80代の人は、2人で月に50万円とかもらっているらしく、問題なのは高齢者の中の格差。単純に比較はできないかもしれないけど、国民年金しか払っていなかった人はその最たるもので、月5万ぐらいの支給になるんだそうです。そこを変えなきゃいけないし、このままでは我々がもらうころにはもっとひどくなっていく。

 年金制度って難しいからって避けていると、将来の自分の首を締めることになりますよ。政治家は誰も手を付けないんだから。

 何もわからないという人は、まず自分の給与明細を見てみてください。年金は国民健康保険とかほかの社会保険料に比べて、一番引かれているはずです。それで年間いくら払っているか計算してみてください。このままでは現役世代は子どもも作れないし、さらに少子化が進むことになると思う。年寄りの票なんか取れなくても良い、本当のことを言います!って誰かが踏み込まなきゃいけないんですよ。将来の暮らしが選挙のネタにされるのは、おかしいことなんですよ。

次のページ