質問に応じる井阪社長(撮影/竹内良介)
質問に応じる井阪社長(撮影/竹内良介)
記者会見する永松次期社長(撮影/竹内良介)
記者会見する永松次期社長(撮影/竹内良介)
時短実験が始まったセブン―イレブンの直営店 (c)朝日新聞社
時短実験が始まったセブン―イレブンの直営店 (c)朝日新聞社

 セブン&アイ・ホールディングスは4月4日、東京・半蔵門で会見を開き、8日付けで傘下のコンビニエンスストア最大手セブン-イレブン・ジャパンの古屋一樹社長が退任し、後任に永松文彦副社長が就くと明らかにした。

 セブン―イレブンをめぐっては大阪府のFC加盟店オーナーが人手不足を理由に自主的に時短営業に踏み切り、同社と対立する事態に発展していた。

 会見に参加したコンビニジャーナリストの吉岡秀子さんは、「社会環境の急激な変化に応じ、全国一律で成長してきたコンビニエンスストアの変革の必要性を強く訴えた会見でした。経営陣が加盟店や現場とのコミュニケーション不足を認識していることを誠実に話していたことから、『令和』時代の新しいビジネスモデルの構築に期待を抱きました」と、話した。

 会見でのセブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長と、永松次期社長の主なやりとりを掲載する。

──社長交代は古屋社長が、24時間問題に対応できないことが理由でしょうか?

井阪 24時間問題に対応できなかったというよりは、むしろコミュニケーションのパイプの根詰まりが組織的な問題としてあった。それは2万店という巨大チェーンにおいて、一人の社長が情報を吸い上げて対応しなければいけない。とても負荷がかかる。永松が入ることで社内の情報をしっかりと吸い上げて、コミュニケーションを密にし、素早い戦略立案、課題解決を組織内で実行する。古屋は公務のフランチャイズチェーン協会を通じて外部に対して対応を発信していく。こうした体制を作ることがいまの根本的な問題解決に一番必要だと考えての人事です。

──24時間営業の選択権を加盟店オーナーに与えるつもりでしょうか?

井阪 柔軟な対応をしたいと思います。ですが、柔軟な対応をするということが24時間営業の選択制につながるとは考えておりません。加盟店オーナー様の生活の基盤がリスクにさらされてはいけませんので、実証実験をしっかりしながら中身を精査し、検証し、しっかりした説明をしながら、それでもご希望される方にはやっていただくという合意形成のもとに決めていきたいと思っております。

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時短営業の実験中