──現役としての選手生活に終止符を打つタイミングと理由は。

 タイミングはキャンプ終盤ですね。日本に戻ってくる何日前ですかね。何日前とははっきりとお伝えできないですけど、終盤に入った時です。もともと日本でプレーする、東京ドームでプレーするところまでが契約上の予定だったということであったんですけど、キャンプ終盤でも結果を出せずに、それを覆すことができなかったということです。

──今、その決断に後悔や思い残したところは。

 今日の球場の出来事、あんなもの見せられたら後悔などあろうはずがありません。もちろん、もっとできたことはあると思いますけど、結果を残すために自分なりに重ねてきたこと、他人より頑張ったということはとても言えないですけど、自分なりに頑張ってきたとははっきりと言えるので。これを重ねてきて、重ねることでしか後悔を生まないということはできないのではないかなと思います。

──子供達にメッセージをお願いします。

 シンプルだな。メッセージかー。苦手なのだな、僕が。

 野球だけでなくてもいいんですよね、始めるものは。自分が熱中できるもの、夢中になれるものを見つければそれに向かってエネルギーを注げるので、そういうものを早く見つけてほしいと思います。

 それが見つかれば、自分の前に立ちはだかる壁にも、壁に向かっていくことができると思うんです。それが見つけられないと、壁が出てくるとあきらめてしまうということがあると思うので。いろんなことにトライして。自分に向くか向かないかよりも、自分の好きなものを見つけてほしいなと思います。

──いま思い返して、印象に残っているシーンは。

 今日を除いてですよね。この後、時間がたったら今日が一番真っ先に浮かぶのは間違いないと思います。それを除くとすれば、いろいろな記録に立ち向かってきたんですけど、そういうものは大したことではないというか。

 自分にとって、それを目指してやってきたんですけど、いずれそれは僕ら後輩が、先輩達の記録を抜いていくというのはしなくてはいけないことでもあると思うんですけど、そのことにそれほど大きな意味はないというか。そんな風に今日の瞬間を体験すると、すごく小さく見えてしまうんですよね。その点で、たとえば、わかりやすい10年200本打ったとか、MVPをとったとか、オールスターでどうたらというのは、本当に小さな事にすぎないと思います。

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この1年間の自分を誇りに思う