(イラスト/majocco)
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 世界中のスラム街や犯罪多発地帯を渡り歩き、「クレイジージャーニー」でも人気のジャーナリスト・丸山ゴンザレス。危険地帯で人々と交わした"ありえない英会話"を紹介する本連載、今回は海外での素敵な出会いを演出する方法と恋愛文化の差について紹介する。

【マンガ】ネイティブが使う鉄板ネタとは?

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 男女の出会いにもいろいろな形がある。すでに過ぎ去りつつある、今年の夏を振り返ってみてほしい。なかには、海外で一目惚れしても、声すらかけられなかったというケースもあるのではないだろうか。意外かもしれないが、日本と海外、特に欧米の文化の違いのなかに“ナンパNG”がある。アメリカでは、通行人に声をかけるのは非常識。日本ではよく見かける光景だが、女性が軽く見られていると感じた場合、怒られることもある(この対象には外国人が含まれないので、観光客丸出しだと声をかけられがちということもある。一部の現地男性が外国人女性を軽く見ているというのは否めない)。その一方で、許されるのは足を止めている場所、具体的にはバーのような場所である。

 歩いているか止まっているかの違いに大差ないようにも思うが、目的をもって歩いているときと、お酒とおしゃべりを楽しんでいるときは、どちらのタイミングで声をかけるかで、まったく意味合いが違うということを理解しないといけないのだ。もしやるとしたら、スペシャル感のある声のかけ方をしないと、なかなか振り向いてはもらえない。そんな演出をしやすいのが、じっくりと話をきいてくれやすいバーなのである。とはいえ、日本人の男性には少々ハードルが高いかもしれない。そこで筆者の友人で、海外ナンパのエキスパートに「スペシャル感のあるお手軽な声のかけ方を教えて」と相談してみた。すると、このような例文が送られてきたのだ。

男「Can I get a direction?」(行き方教えてもらえる?)

女「To where?」(どこに行きたいの?)

男「To your heart」(君のハートに)

 本人いわく「ヨーロッパのバーでは鉄板のネタだった」そうだが、どう思うだろうか。臭い? 鼻につく? わざとらしい?

 どれも日本人男子の感覚からすれば、ありえる受け取り方だろう。それは間違いではない。ただ、明暗を分けるのは、出会いについてどう捉えているのかがポイントになる。日本では偶然の出会いとか、運命の出会いのようなものが尊重されがちである。ところが、アメリカのように意見を主張することを尊ぶ国では、出会いを獲得しにいって心をつかんだほうが、より尊重される。もっと平たくいえば、笑わせたもの勝ちである。相手の口説き文句に笑ってしまったら、断るのも無粋だと女性の側が思ってくれる(既婚者などでどうしても応じられないときは、上手にそのことを伝えるのもマナーとされている)。ちなみに筆者がよく使うのは次のような言い回しだ。

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丸山ゴンザレス

丸山ゴンザレス

丸山ゴンザレス/1977年、宮城県出身。考古学者崩れのジャーナリスト。國學院大學大学院修了。出版社勤務を経て独立し、現在は世界各地で危険地帯や裏社会の取材を続ける。國學院大學学術資料センター共同研究員。著書に『世界の危険思想 悪いやつらの頭の中』(光文社新書)など。

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丸山ゴンザレスはこうやって口説く!