ひきこもり経験者リリー・フランキーが10代の当事者らに語った「生きづらさの理由」 (3/4) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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ひきこもり経験者リリー・フランキーが10代の当事者らに語った「生きづらさの理由」

連載「ぶらり不登校」

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自身の引きこもり経験についても語ったリリー・フランキーさん(撮影/石井志昂)

自身の引きこもり経験についても語ったリリー・フランキーさん(撮影/石井志昂)

10代、20代の不登校・ひきこもり当事者から相談を受けるリリー・フランキーさん(撮影/石井志昂)

10代、20代の不登校・ひきこもり当事者から相談を受けるリリー・フランキーさん(撮影/石井志昂)

リリー:ちょっと待て! かりんとう屋さんと女王様のあいだには、もっとたくさんの降りるべき駅があるというか、ふり幅がでかくて話が入ってこない(笑)。

当事者E:ああ、すみません。職種に深い理由はなく、いろいろと試した結果、ダメだったという話です。そのなかで一番感じているのは、仕事が続けられない自分はどう考えてもひきこもりなのに、その自分が受け入れられない、ということです。リリーさんもひきこもっていたと聞きましたが、どんな状況だったのでしょうか?

リリー:オレの場合は大学を出てからなにもしていない時期が5年ぐらいありました。一人暮らしなのに働いてないから金がなくて、電気もガスも止められて、食うものもあまりなかったです。月に1回ぐらいはバイトをしていましたが、あとの生活費は親や友だちから借りて、最後はサラ金にも手を出していました。

ふつうに考えたら働けばいいんだけど、その気力がまるでないんです。バイトへ行こうと思っただけで3日間ぐらい徹夜をした気分にすらなってしまう。そうなるとバイトへ行くどころではなく外へ出る気力さえなくなっていました。

当事者E:どうして、そこまで気力を失ってしまったのでしょうか?

リリー:なんでかな……。昔から気力もガッツもまるでなかったけど、たぶん自由になったからかな。親元を離れて自由になった瞬間にタガが外れてしまったような気がします。

当事者E:やっぱり自分を受け入れられなかったり、罪悪感に苛まれたりしましたか?

リリー:「オレは完全に人間のクズだな」と思いながら暮らしていました。ただ、そういう罪悪感に苛まれる時間を長く続けると、どんどん「無痛」の状態になっていくんです。罪悪感だけでなく、そのほかの感情もほとんど湧き上がらない日々です。あまりに精神状態の危機が続いたため、自分の感覚を守るために感覚自体をカットしてしまったのかな、といまでは思っています。

 そういうなかで、昔付き合っていた女性と会ったんです。あまりに金がなくて食べられない日が続き、なんとか昔の彼女から飯をおごってもらおうと思ったからです。


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