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小池百合子劇場を予言? 作家・橋本治が発見したアメリカ映画とは

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橋本治(はしもと・おさむ)/1948年東京都生まれ。東京大学文学部国文科卒業後、『桃尻娘』で小説現代新人賞佳作を受賞。評論家としても活躍。『宗教なんかこわくない!』で新潮学芸賞、『三島由紀夫とは何者だったのか』で小林秀雄賞、『蝶のゆくえ』で柴田錬三郎賞、『双調平家物語』で毎日出版文化賞をそれぞれ受賞。近著に『たとえ世界が終わっても』『知性の顛覆』『いとも優雅な意地悪の教本』等

橋本治(はしもと・おさむ)/1948年東京都生まれ。東京大学文学部国文科卒業後、『桃尻娘』で小説現代新人賞佳作を受賞。評論家としても活躍。『宗教なんかこわくない!』で新潮学芸賞、『三島由紀夫とは何者だったのか』で小林秀雄賞、『蝶のゆくえ』で柴田錬三郎賞、『双調平家物語』で毎日出版文化賞をそれぞれ受賞。近著に『たとえ世界が終わっても』『知性の顛覆』『いとも優雅な意地悪の教本』等

 投票まで1週間を切った衆院選。作家の橋本治氏は、台風の目となった小池百合子氏のこれまでの動きについて、あるとんでもない発見をしたという。思わず納得の発見について、橋本氏に話を伺った。

──橋本さんの著書『知性の顛覆 日本人がバカになってしまう構造』のまえがきに“「そうならなきゃいいな」と思っていた知性は、顛覆してしまった”という一節があります。安倍首相による突然の「衆議院解散」と、その後目まぐるしく変化する「政局」を見ていたら、思わずそのフレーズを思い出しました……。『知性の顛覆』の最終章は、小池百合子率いる「都民ファーストの会」誕生の話で終わっていますよね?

橋本:そう、だから、その続きを書かなきゃいけないと思って「小説トリッパー」で連載をまた始めたんですけどね。で、実は私、小池百合子と希望の党について、最近、とんでもないことを発見しちゃったんです。去年、日本で公開されたザック・スナイダー監督の「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」っていう映画に、すべては「予言」されているんですよ(笑)。

──ええっ「バットマン vs スーパーマン」……に、ですか?

橋本:映画のあらすじを簡単に説明すると、悪者のレックス・ルーサーJr.に巧みに操られたバットマンとスーパーマンが戦い始めるんですね。で、なぜか最後に「ワンダー・ウーマン」が出てきて怪物を倒しちゃう……っていう、まぁそんな内容で。去年、初めて見た時には「なんだかワケわかんない映画だなぁ」って思ったんですけどね。

 で、最近、その映画をもういっぺん見直してみたのが、偶然、小池百合子が「すべてをリセットして、私が希望の党の代表に就任します」と発表した時だったんですけど、そうしたら突然「ああ、なるほど、そういうコトか!」……と分かったんです。

 つまり、新党立ち上げでガタガタやっていた細野豪志と若狭勝がスーパーマンとバットマンで、「いつまでも二人でモメてるんだったら、私がさっさと行くわ!」って、小池百合子のワンダー・ウーマンが出てきて怪物を倒してしまうんですね。ちなみに映画だと、最後はスーパーマンのお葬式のシーンなので、現実でも最後は誰かが「終わっちゃう」のかも(笑)。

──つまり、小池百合子はワンダー・ウーマンだと。

橋本:あんな娯楽映画見てこんなことを考えているのは、この世の中で私だけでしょう(笑)。『知性の顛覆』の続きとして「小説トリッパー」で書いている連載のテーマが、「父権制の顛覆」なんですね。で、この映画の中ではスーパーマンもバットマンも「父親」がいないという設定で、それってつまり「お父さんはもういない」≒「指導者はもう来ない」そういう「父権制」が死んでしまった世界を象徴している。


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