悪い姿勢は、百害あって一利なしです。

 力を抜いて、背筋を伸ばし、顎あごを軽く引く。両肩は落とし、縮こまっている肩甲骨を広げるよう意識します。ただでさえ現代人の腕や肩は、パソコンやスマートフォンを長時間使うことで、常に前に出てきてしまっているとか。定番のアドバイスとして「頭の上についた一本の糸で天井からピンと吊つるされているイメージ」とよく言われますが、個人的にこれは本当に効き目があると思います。テレビ収録の際、「糸、糸!」と言い聞かせながら臨むとてきめんに効果がありました。

 姿勢を正すことで、ストレスにも強くなり、心も前向きになるという調査結果もあるそうです。プレッシャーがかかるときには、自分に「大丈夫!」と言い聞かせることも大切ですが、ピシッとした自分に励まされるほうが、その「大丈夫!」にも説得力が増します。つくづく、体と心と声はつながっていると実感します。

「体」と「心」と「声」の三角形、ひとつを良くすれば、他の二つにも確実に良い影響を与えます。となると、手っ取り早いのは、「体=姿勢」。必要なのは意識だけ。でも、日ごろできていないと、本番で急にできるわけがありません。今、この瞬間から、あなたの姿勢も見直してみてください。声が通るようになる、スッキリ見える、体調も良くなり、そしてまた声の調子が良くなる……良いことが連鎖的に起きるきっかけにしてくださいね。