クリスティアーノ・ロナウド擁する欧州王者レアル・マドリーに、鹿島はどう立ち向かうべきか。(写真:Getty Images)
クリスティアーノ・ロナウド擁する欧州王者レアル・マドリーに、鹿島はどう立ち向かうべきか。(写真:Getty Images)

 12月18日に行われるクラブワールドカップの決勝は、Jリーグ王者の鹿島アントラーズと欧州王者のレアル・マドリーが対戦する。鹿島のサポーターはもちろん、多くの日本サッカーファンが待ち望んだカードと言えるが、鹿島にとって重要なのは相手を必要以上にリスペクトしないことだ。

 クリスチアーノ・ロナウドをはじめ世界的なビッグスターを擁する“白い巨人”は、来日初戦となった準決勝で、北中米カリブ王者のクラブ・アメリカに対して難しい戦いを強いられたが、前半アディショナルタイムにカリム・ベンゼマのゴールで先制すると、1-0のまま迎えた後半アディショナルタイムにクリスチアーノ・ロナウドが追加点を決め、危なげなく公式戦の無敗記録を36に伸ばし、世界制覇に王手をかけた。

 普通に考えれば開催国枠としてここまで勝ち上がってきた鹿島はチャレンジャーの立場だが、一発勝負では何が起こるか分からない。Jリーグのチャンピオンシップから過密日程で戦っている鹿島としては、準決勝からの間隔が1日多いことをアドバンテージとは言いがたいが、組織としてタイトに相手のタレント力を封じながら、運動量と機動力で欧州王者を凌駕したいところだ。

 これまでと同じく「4-4-2」で臨むことはほぼ間違いないが、石井正忠監督の判断が問われるのはエース金崎夢生をスタートから起用するかどうか。負傷のため開幕戦からプレー時間を考慮しながらの途中出場が続いている金崎だが、結果的にはそれが後半のチームに攻撃の勢いをもたらしている。その流れを大事にするならば、確かな成長を見せる赤崎秀平に土居聖真との縦の2トップを組ませ、勝負所で金崎を投入というシナリオにかけるのも手だろう。

 ただ、アフリカ王者マメロディ・サンダウンズとの準々決勝にしても、南米王者アトレティコ・ナシオナルとの準決勝にしても、GK曽ケ端準のビッグセーブやDF昌子源の奮闘、さらにはポストやクロスバーにも救われる形で切り抜けたものの、流れとしてはその時点で2、3失点していてもおかしくなかった。そこで踏ん張れたことは見事だが、相手がレアル・マドリーとなれば同じ様なシチュエーションでゴールを防ぐことはより難しくなるかもしれない。

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