スタメンから二塁手のベテラン田中賢介を外し、若手の杉谷拳士を2番で起用した。杉谷は3回表に柳田悠岐のライナーをダイビング捕球。その裏には中前適時打を放った。先発投手のルーキー加藤貴之が1回に4失点すると、2回からは第3戦で抑えに使ったバースを登板させ、4イニング無失点の好投を引き出した。4回には満塁の好機と見るや早掛け。8番捕手の大野奨太に代打・岡大海を起用して同点の2点適時打を呼び込み、さらにスクイズで勝ち越した。締めは3番指名打者だった大谷を9回にクローザーで起用。大谷は日本最速の165キロを連発し、野手で先発した選手としては史上初めてセーブを記録した。

 日本シリーズは、22日からマツダスタジアムで開幕する。12球団で最も遠ざかっていた広島は25年ぶりの出場だが、吉兆データがある。25年以上ぶりで出場したチームは、1998年横浜(38年ぶり)、99年ダイエー(26年ぶり)、2005年ロッテ(31年ぶり)、06年日本ハム(25年ぶり)と、過去4チームすべてが日本一に輝いている。一方の日本ハムは、大谷が投打で出場した試合に今季公式戦、CSと合わせて9戦9勝。マツダスタジアムで第1、2、6、7戦を行うため、大谷が投打で同時起用される可能性が最少でも2試合はありそうだ。いずれも若い選手が主力に多いチーム。熱く、フレッシュな戦いを期待したい。(文=日刊スポーツ・斎藤直樹)