近鉄時代の盟友である吉岡雄二監督は「4番の責任感と負けず嫌いのハートは現役時代と同じ。チームは打線に迫力が出てきた。ローズとは同じ野球観を共有して戦っている実感がある」とうれしそう。永森茂球団社長も「日本人以上に日本人らしい。礼儀正しく、真面目な人柄」と感心し、「一石三鳥」以上の「ローズ効果」を喜んでいる。

 BCリーグの公式戦は東西各地区に分かれており、前期(37試合)、後期(36または35試合)で優勝を決める。プレーオフでは前・後期の優勝チームが争って地区優勝を決定し、東西の地区優勝チームがリーグ制覇をかけて戦う。富山はローズを軸に後期優勝を目指して、気持ちを切り替えているところだ。

 BCリーグを制したチームは、四国アイランドリーグplusの覇者と「独立リーグ日本一」の座をかけて争う予定である。そこで野球ファンが期待するのは、四国の高知ファイティングドッグスに入団した藤川球児投手とローズの対戦である。ローズの記憶によると、NPB時代に10回ほど対戦しているらしい。

「いい投手。球が速く、フォークがいい。コントロールも抜群。本塁打は一度も打てなかった」

 「歯が立たなかった」という印象の藤川との再戦を願う気持ちは強い。個人的な希望よりは、「BCリーグ王者として四国の覇者と対戦したい」という思いからである。「(藤川と)対戦できたなら本塁打を打ちたい」「中村(紀洋)と先日電話で話した。関西にも来てと言われたよ」など、野球ファンの心を引き付けるコメントを次々と繰り出すローズ。富山のファンならずとも、「BCリーグに来てくれてよかった」としみじみ思わせてくれる存在である。
 
(ライター・若林朋子)