<1999年7月14日、突如として地球上空に大宇宙艦隊が出現し、侵略を開始した。アメリカ、ソヴィエトをはじめとする各国の防衛力もまったく歯が立たず、またたく間に地球全土は焼き払われ、降伏することになった。こうして地球は、宇宙最大の国家『パラノア銀河帝国』の植民地として、新しい歴史を歩みはじめた……>

 『宇宙戦艦ヤマト』の舞台は2199年。宇宙人が支配する”ガミラス帝国”の侵略を受けて、人類が存亡を懸けて、立ち上がるところから始まる。だが、『ムサシ』は、すでに宇宙人が地球を占領された後から物語が始まる…どうやら、つながりはないようだ。

 さらにページをめくり、読み込むと、『ムサシ』は驚くべきSF小説だった…。

 主要な登場人物は、主人公の猛と悠樹(いずれも男性)と鵬麗という女性の3人だ。彼らは、宇宙から侵略してきた宇宙人の男性と人類の女性との間に生まれた”パンテラ”と呼ばれるハーフだった。

 パンテラの特徴は、碧眼で髪が緑色という特徴を持ち、テレポートやテレパシー、遠隔透視などの”超能力”を使うことができる。侵略した宇宙人は、数年で母星に帰ってしまったため、取り残されたパンテラ達は、地球人から忌み嫌われ、差別や迫害を受けていた。

 こうした差別で定職に就けなかった3人は、沈没船のサルベージを稼業としていた。ある日、航行していたフィリピン群島の海上で、突然発生した巨大な竜巻に遭遇してしまう。そこで、彼らの前に姿を現したのは、太平洋戦争で沈没したはずの戦艦武蔵だった。武蔵は沈没後、海中を漂っていたが、竜巻で吸い上げられ、海上に姿を現したのだ。

 武蔵を目の当たりにした主人公の猛は、これを宇宙船にして、自分たちの知らない父親に会いに行こうと提案する。こうして、彼らは、武蔵を宇宙戦艦に改造しようと奔走する。
彼らが”パンテラ”だという理由で、人々がまともに取り合ってくれなかったり、法外な料金を請求されたり、理不尽な仕打ちを受けるが、それでも、なんとか武蔵を宇宙戦艦に改造することに成功した。

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