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金、人、モノ…すべて「地元産」 小田原市が実践する究極の再生可能エネルギーとは

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会社のロゴマークには社名の由来である報徳思想を唱えた二宮尊徳の幼少期の姿が。

会社のロゴマークには社名の由来である報徳思想を唱えた二宮尊徳の幼少期の姿が。

写真提供:ほうとくエネルギー  富水小学校の屋上に設置された太陽光発電の設備。避難所として機能するように災害時や停電時は自家発電として発電した電気を利用できる。

写真提供:ほうとくエネルギー  富水小学校の屋上に設置された太陽光発電の設備。避難所として機能するように災害時や停電時は自家発電として発電した電気を利用できる。

小田原市久野の丘陵地に建設された、発電出力984kW/hの「小田原メガソーラー市民発電所」

小田原市久野の丘陵地に建設された、発電出力984kW/hの「小田原メガソーラー市民発電所」

 太陽光や風力など再生可能エネルギー事業は大きく分けて、外部主導のものと地域主導のものがある。外部主導の場合、地域外の企業が事業を運営し、売電収入を得るため、地元への利益は限定的だ。

 これに対し、地域主導は資金調達や関連施設の施工、管理・運営など、その地域の会社や関係者が中心となって関わるため、売電収入を含め、地域でお金が循環する。このような地域主導の再生エネの取り組みの一つに、神奈川県小田原市の「ほうとくエネルギー株式会社」(以下、ほうとくエネルギー)がある。同社は小田原の地元企業が出資し、地域で太陽光発電などの再生エネの普及に取り組む事業会社だ。

 今回は地域主導で再生エネ事業を運営する、ほうとくエネルギーを取材した。

* * *

 ほうとくエネルギーは神奈川県・小田原市で、地域主導で太陽光発電など再生エネの普及に取り組む事業会社だ。地元企業24社の出資で3,400万円の資本金を集め、2012年12月に設立された。2013年の増資後、資本金は5,800万円となり、出資企業は計38社に。小田原で太陽光発電関連の会社のほとんどは、同社に出資するなど地域の結びつきは強い。小田原は「報徳思想」で知られる江戸時代の農政家・二宮尊徳の出身地であり、同社の名前はこの「報徳思想」に由来している。

 小田原市では、東日本大震災後、計画停電や地元特産の足柄茶から放射性セシウムが検出されるなど、大きな影響を受けたこともあり、エネルギーの自給に向け、地域で自然エネルギーに取り組む機運が高まった。そこで同市は、環境省が地域の再生エネの取り組みを推進するために設立した「地域主導型再生可能エネルギー事業化検討業務」の2011年度募集に応募し、同年10月に採択。これを受け、同年12月には地域で再生エネの導入および促進事業の立ち上げを目指す官民協働の組織、「小田原再生可能エネルギー事業化検討協議会」が発足した。参加したのは老舗のかまぼこメーカー鈴廣やFM小田原のほか、小田原ガス、さがみ信用金庫など様々な分野の企業が顔を揃えるなど“オール小田原”といえる陣営。その後、約1年の協議を経て、地域の再生エネ事業を実施する、ほうとくエネルギー株式会社が設立された。

 ほうとくエネルギーは、元ソニー役員の蓑宮武夫社長を中心に、地元企業の経営者など計8名で事業を進めている。同社は、資金は地元の金融機関や市民ファンドで調達、発電設備の機材調達・建設・施工・管理運営を地元企業に発注するなど、徹底的に「小田原産」にこだわっている。結果として、お金が地域で循環するため、再生エネ推進とともに、地域経済が活性化することも目標としている。


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