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牛と馬、発電効率がいいのはどちらのフン?

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次世代エネルギーパークの一つとして登録されている宮崎大学集光型ビームダウン式太陽集光装置

次世代エネルギーパークの一つとして登録されている宮崎大学集光型ビームダウン式太陽集光装置

次世代エネルギーパーク見学希望等の受け入れ窓口になっている宮崎県環境情報センター

次世代エネルギーパーク見学希望等の受け入れ窓口になっている宮崎県環境情報センター

バイオマスプラントの全景。右部分のテントは、ガスがたまっている時にはふくらみ、電気として使用されている時にはしぼむ

バイオマスプラントの全景。右部分のテントは、ガスがたまっている時にはふくらみ、電気として使用されている時にはしぼむ

成牛舎で出たふん尿は、地下パイプを通じてバイオガスプラントに送られる

成牛舎で出たふん尿は、地下パイプを通じてバイオガスプラントに送られる

畑に散布する状態の液体肥料

畑に散布する状態の液体肥料

 「次世代エネルギーパーク」計画をご存知だろうか? 同計画は、次世代のエネルギー政策の促進を狙った経済産業省主導のプロジェクト。全国各地の再生エネ設備を「次世代エネルギーパーク」に認定し、そこに体験施設等を新たに整備。見学や体験メニューを提供することで、新エネルギーに対する国民の理解を深めようというものだ。

 エネルギーパークには、体験施設等を一か所にまとめた「拠点集中型」と、地域の中に点在する施設を結び、全体をエネルギーパークとする「広域連携型」の2種類があり、経産省はこれまで8回にわたり定期的に認定施設を募集。認定されたエネルギーパークについては、経産省がホームページなどでPRしたり、モニターツアー実施にかかわるイベント費用の助成、設備導入費の一部を補助する「地域再生可能エネルギー熱導入促進事業」に優先採択するという利点がある。

 施設整備やその運営計画の認定が始まったのは2007年度。今では、北は北海道・稚内、南は沖縄・宮古島にまで認定施設が50以上あるが、その中の一つとして2013年に認定されたのが、「宮崎県次世代エネルギーパーク」だ。同エネルギーパークは、「宮崎県環境情報センター」を中心に、1県で15もの再生エネ施設が登録されている広域連携型のエネルギーパーク。同県は「太陽と緑の国」をうたうだけあり、日照時間や降水量、木材の生産量などは国内でもトップレベルと、まさしく、再生エネの資源が集結した「再生エネ天国」なのだ。今回は、そんな宮崎県次世代エネルギーパークを取材した。

■牧場でも再生エネ発電、牛のフンまでエネルギー源に

 太陽光や水力など数多くの再生エネ施設を抱える宮崎県の次世代エネルギーパークだが、畜産を基幹産業とする同県らしい施設といえるのが、県南に位置する高千穂牧場の「バイオマスプラント」だ。

 同牧場は、現在の南日本酪農協同株式会社を親会社とし、91年に観光牧場として一般開場。生産者と消費者の産地交流を目的に、「触れ合い・体験牧場」として入場無料で開放しており、1年を通して県内外からの多くの来場者でにぎわう。

 場内には100頭の乳用牛のほか、馬やめん羊なども飼育しているが、家畜を育てる上で避けることのできないのが産業廃棄物となる糞尿の処理だ。同牧場で1日に出る排せつ物の量はだいたい5.2tほど。これを牧場のなかにある牧草地に堆肥として散布していたが、一番の問題はやはり「におい」。家畜から出る糞尿は産業廃棄物に指定されており、衛生面だけでなく、悪臭は公害にもつながるため、畜産が盛んな地域ではしばしば問題となる。「家畜を育てる以上、排せつ物が出てしまうのは致し方ないことだが、周辺住民への影響を考えると、適切な処理が必要だった」と、株式会社高千穂牧場営業部の野瀬洋司氏は話す。

 そこで04年に導入したのが、排せつ物で発電を行う「バイオマスプラントシステム」だ。これは排せつ物をメタン発酵させることでバイオガスを発生させ、これを使って電気を生み出すというもの。それまで経営者たちが手を焼いていた糞尿を、ただ処理するだけでなく何かの役に立たせることはできないかと、導入されたシステムだ。


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