メルマガ会員は3万人以上、公式ブログは月間350万アクセス、また発刊する書籍は累計200万部を突破する超人気心理カウンセラー・心屋仁之助氏が新著『折れない自信をつくるシンプルな習慣』(朝日新書)を上梓した。

 心屋氏は現在、京都で個人向けにカウンセリングを行っているほか、テレビなどの各メディアでも活躍。また、月に数回ほど全国各地でセミナーや講演会を開くなど、精力的に活動を行っている。多くの人に出会い、相談を受けている心屋氏だが、彼は本書の序文で、悩んでいる人の共通点についてこう指摘している。

「(前略)どんな悩みであれ、結局のところその根本にあるのは、たった一つなんじゃないかなあと最近つくづく思うのです。その“たった一つ”が『自信がない』ということです」

 自信がないから悩むのか、悩んでいるから自信がなくなるのか……。それはわからないが、仮に自信がないなら、自信をつけるために頑張ったり、努力したりすればいいのでは? いかにも“悩みのない人間”の意見かもしれないが、一般社会では「悩む前に行動しろ」が流儀である。実際、有名企業の会社員であった心屋氏もかつてそのような意識で仕事に励み、自信をつけようとしていたという。

 しかし心屋氏は、様々な人生経験からそのような考え方が間違っていたことに気付いたと述懐する。

「サラリーマン時代の僕は、がんばって、努力して、『結果を出すこと』や『できる人になること』によって、自信をつけようとしてきました。でも、『上には上がいる』と知ったとき、あるいは実績が落ちたり、自分よりも別の人がいい評価を受けたり、もしくは、上司から叱られたり、他人から否定されたりすると、とたんに、積み上げてきた自信は、一斉に音をたてて崩れ落ちました」(『折れない自信をつくるシンプルな習慣』より)

「結果が出ると自信がつく」という考え方は、あくまで「結果が出ると」という「条件付き」の自信であり、条件がなくなると自信も消えてしまう。心屋氏は、本書において、これを「折れる自信」と規定している。一方、本書のタイトルにもある「折れない自信」とは、理由や条件とは無関係に、ありのままの自分=ダメな自分を信じること、だという。つまり、なにものにも左右されない無敵の自信だ。

また、人生を変えたくて悩んでいる人についても、ストレートにこうアドバイスを送る。

「(前略)人生を変える方法は簡単なんです。『ありえない』『それだけはやりたくない』と、今まで避けてきたことをやってみること。すると、『ありえない』と思っていた新しい現実が現れたりするのです」(『折れない自信をつくるシンプルな習慣』より)

 本書ではこの他にも、

“どんなに高い壁にぶち当たっても「どうせなんとかなる」と信じること”
“仕事を断れないで悩んでいる人は、まず頼まれた仕事を断ること”
“別の悩みで本当の悩みをごまかさないこと”
“「自分はバカだ」と開き直ること”

 といったような、シンプルなアドバイスを多数掲載している。どのアドバイスにも、心屋氏は「他人のことはいいから、自分に自信を持ちなさい」というメッセージを込めている。

 本書の最後はこういう言葉で締めくくられている。

「本書を読んで『信じられない』『ウソでしょ』と思ったとしても、この方法をちょっとでいいから信じて、少しでいいからやってみてほしいんです。だって、『やった』人にしか、この奇跡は味わえないんですもの。『ありえない』ことをするから『ありえないこと(奇跡)』が起きるのです」

 人を救うのは、いつだってシンプルな習慣なのかもしれない。