住環境に関しては、韓国は日本よりも大変かもしれない。

 サムスンに勤める日本人には、単身者でも60~80平方メートル前後、2~3LDKのアパートが貸与される。私の住んでいたアパートは、築年数や駅からの距離、室内設備などから考えると、日本人の感覚としては2000万~3000万円程度の物件にしか見えなかったが、ポストに投函されるチラシを見ると7000万円超のマンションらしい。韓国の不動産バブルが垣間見える瞬間である。

  物価面ではよく言われていることだが、光熱費、交通インフラなどが安く、食料品は高い。全体としては日本よりも高いかもしれない。コロナ禍の前には、若い韓国人社員がよく日本出張のついでにiPadを買いたいなどと話していた。確かに、たまに帰国すると日本は安いなと感じてしまう(特に飲食関係)。

 ここまで紹介したことはすべて、私が在籍した10年間で急激に変化したことだ。この国の進歩の速さはおそろしい。

 後編※では、サムスンで働いていたときに感じていたこと、働きやすさや人間関係などについて詳しく紹介する。

※この記事はダイヤモンド・オンラインからの転載記事です